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彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

4人が二階に行き、くるみとシュンと菫が1階に残った

菫はお腹が空いてイライラしているのか、階段の下を行ったり来たりしている

「大変な事になってきたね」

シュンがくるみに話しかけた

「他の方達、いつもこんな事するんですか?」

「う〜ん、ふざける時はふざけるけど…でもこんな手の込んだ面倒臭いドッキリは楓くらいしか思い浮かばないけど」

「…そうですか。あ、 お母さんに遅くなること電話しなきゃ…」

くるみが携帯を取り出して電話をしようとしたが、圏外になっている

「あれ? 圏外だ… 着いた時は繋がっていたのに」

「本当だ!何でだろう? 停電の影響かな」

シュンもポケットに手を入れながら携帯を確かめる

くるみはイライラする菫に声をかけた

「菫、携帯もってる?」

「ウチのカバンに入れっぱなしだったー。もう遅ーい!」

菫が大きな声をあげると上から楓達が降りてきた

「楓、鍵!」

「…なかった」

「はぁ⁉︎ 鍵失くしたの⁉︎」

「財布だけ残ってて携帯と鍵がなくなってる…」

「嘘でしょ⁉︎ 嘘だと言ってよ! …葵、窓割っていい?」

「…寝言は寝て言え。こっちは携帯はあったけど圏外だ」

葵が携帯を見せながら言う

「あ! くるみちゃん、ごめん。言うの忘れてたけどさっき寝てた時に寝ぼけてくるみちゃんの電話取っちゃったんだよ」

「え? 誰からでした?」

「それが…村瀬くんからで。結構、怒らせたかも…」

「げ!本当ですか…」

くるみが履歴を確認すると17時26分に村瀬から着信があった

「1時間前は電話が通じたのに…」

「なんかおかしくね? あいつらが脅かしてるって言っても停電や圏外に何て出来るはずないし…」

楓が意味深に黙る

「もうヤダ!私、帰る。シュン、車で送って!」

ジーナがシュンに詰め寄る

「ごめん、電話で呼ばないと車が来ない」

一同、押し黙った

しばらくして最初に言葉を開いたのはくるみだった

「とにかくひどい雨で雷もまだ鳴っている以上は車もなく、電話も使えない状態でコテージから出るのは危険です。ロウソクの明かりがあるうちに非常食を探しませんか?」

「それナイスアイディア♡ シュンさん、どこにあります〜?」

「倉庫だと思う。一緒に行こう」

「俺も行くよ」

葵が立ち上がると、良輔も立ち上がった

「良輔…行くの?」

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