テキストサイズ

彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

「そう? じゃあ危ないからもう切るね」

「あ、ちょっと待って下さい!」

「冗談w 村瀬くん、大丈夫だよ!」

「明日は学校で会えないんですね…淋しい」

「大袈裟だよ…本の返却は火曜日にお待ちしております」

「じゃあ火曜日に図書室で…くるみ、大好きです」

「ありがとう〃 じゃあね」

電話を切ると下から菫の絶叫が聞こえてきたのでくるみは毛布を持って急いで下に戻った

「何事?」

「楓がせっかく人数分湧いたお湯を汚した〜!殺す〜!」

「違う、虫が入ったのみたんだよ! だから洗剤入れたんだって」

「菫、また沸かせばいいじゃん? とにかく落ち着いて!」

くるみが楓に目配せすると楓はホッとしたようにその場を離れた

「寸胴洗うの手伝うから、ね?」

菫を宥めてくるみは毛布をソファーに座るジーナに持って行った

「ジーナさん、これ良かったら使って下さい」

「くるみちゃんありがとう。私、あなたより年上なのに何もできなくてごめんなさい…」

「私も暗い場所やお化けの類はすごく苦手なんですけど、災害には強いんですw」

「ふふ、面白いw」

くるみがキッチンに戻ってブツブツ文句をいう菫を手伝っているとシュンに呼ばれた

「楓に聞いたよ。隠しててごめんね?君、鋭いからひやひやしたよw」

「中学時代はミステリー小説を読みあさっていましたからw 」

「二階に上がって俺の部屋の奥にぐるっと曲った廊下があるんだけど、娯楽室があるんだ。楓が急いで準備しているけど、8時きっかりにみんなを連れて行くことになってるから手伝ってあげて?」

「わかりました!」

くるみはそっと気付かれないように2階に上がっていった

娯楽室のドアを開けると楓がロウソクに火を灯していた

「くるみちゃん!さっきは助かったよ、食物のことになるとあいつ化け物みたいだなw」

「私はどうすればいいですか?」

「シュンの執事の葛西さんがあらかたセッティングしててくれたから、後は明るくしてケーキの準備と料理のラップを外してくれる?」

「わかりました」

くるみがテキパキ動いていると楓がフッと笑った

「もしくるみちゃんと結婚したら子供達のイベントをこんな感じで準備するのかな〜」

「こんなに手の込んだイベントはごめんです」

ハハっと笑いながら準備を進めると約束の時間が近づいた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ