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彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

「それなら布団持って下に行こう」

楓が毛布を2枚持ってくるみと下に降りる

「さっき非常食のダンボールにドリップ式のコーヒーを見つけたんです。いまお湯沸かしますね」

ケトルでお湯を沸かしてコーヒーを淹れて楓に一つ渡すとありがとうと受け取った

「くるみちゃん寝なくて大丈夫?」

「あのままだと寝れなかったから同じですよw」

「僕さ、前に葵が言ったと思うけど今まで本当に最低なやつだったんだよ。好きって寄ってくる女の子はみんな顔しか見てなくて少しでもこっちに気がある素振りをすると、平気で彼氏や友達を裏切る。そんな女の子達を軽蔑してたらいつの間にか金目当てになっちゃった」

「以前話していた執事喫茶ですか?」

「うん。稼いでも使い道はアニメか機械くらいだけどねw でもくるみちゃんに会って初めて間違ってたことがわかったよ。くるみちゃん、聞いて?」

楓が真剣な表情で見つめてきたので少しドキっとした

「僕はくるみちゃんが好きだけど今の僕じゃくるみちゃんを幸せにする事は出来ないから諦める。散々振り回しちゃってごめんね」

「楓さん…」

「でもくるみちゃんがつまらなそうな顔してたらいくらでも浸け込んじゃうから隙をみせないでね」

へへっと笑って楓はコーヒーを啜ったので、くるみは楓の隣に毛布で包まって座った

二人で楓の好きなアニメの話をしていると上から葵が降りてきた

「何やってんだ?」

毛布にくるまっているくるみとコーヒーを飲んでいる楓をみて不思議そうな顔をする

「コーヒーを飲んでいるんだが?」

「だがじゃねーよw てっきりくるみちゃんが嫌がることをして嫌われている頃だと思ったのに」

「くるみちゃんにはそんな事できないから、こうして珈琲飲んでるの!あっち行ってよ、エッチ!」

「お前、本当に楓か? 本能のままに生きるのがモットーじゃなかったっけ?」

「好きな子を大事にする事に変えたんだよ、部屋へ帰れー! でね、くるみちゃんその時にカガリがねー!」

葵は一瞬イラっとしたがくるみの横にドカっと座る

「なんだよー、いまダブルオーの話をしてるんだからあっち行けよー!」

「葵さんも珈琲飲みたかったんですか?」

くるみが聞くとうんと返事が返ってきた

「じゃあお湯沸かしてきますね」

くるみが席を立つとマジマジと見てくる葵に楓がなんだよ!とイラついた

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