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彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

名刺を渡されて菫はども。っと受け取り、くるみはありがとうございますと丁寧に受け取った

「まずはご同席させて頂くことをお許しください。本来は後部座席に座る事はあり得ませんので…次にこちらのルートですと菫様のご自宅に近いので菫様から送らせて頂きますが、よろしいですか?」

「あの…私、菫の家に荷物があるので一緒に降ろして下さい」

「くるみ様、私にはお二人をご自宅までお見送りする義務がございます。荷物を受けとりましたら、ご自宅まで送ります」

「そ、そうですか…」

しばらく沈黙が続き、菫の家に着きインターホンを鳴らすとマミーが慌てて出てきた

「くるみちゃん!無事でよかったわ!うちの獣達と朝まで一緒だなんて間違いがあったらと心配したわ!! 葛西さんもご迷惑おかけして本当にごめんなさいね」

葛西は恭しく挨拶をした

「奥様、お顔をあげて下さいませ。ご迷惑をお掛けしたのは駿介様です。大事なご子息とお嬢様を巻き込んでしまい、大変申し訳ございません」

「葛西さんに何かお礼しなきゃと思って…これよかったらどうぞ?」

マミーが何か袋を渡そうとすると今まで感情がなかった葛西が急に慌てだした

「奥様…お気持ちは大変嬉しく思いますが、私のような者にこの様なお心遣いは不要です」

「あら前にも話したけど私と葛西さんの間柄はただの友人でしょ? 友人からのプレゼントは受け取らないとね」

「申し訳ございません。ありがとうございます」

少し恥ずかしがりながらもしっかり受け取った

菫がくるみの荷物を上から持ってきて渡す

「ダルいけど学校でね〜」

「うん、また後でね!」

車に再び乗るとマミーが窓からくるみに袋を手渡した

「これお母さんに渡して? また遊びに来てね!」

「マミー、ありがとうございます!お世話になりました」

車はゆっくり発進すると気まずい沈黙が続いた

「葛西さん…私達の学校の心配して頂いてありがとうございます。正直、不安でしたのですごく助かりました」

「私に感謝の気持ちなどは不要ですが…ありがとうございます。菫様の落ち込み方を見て、私のした事は間違いだったのか心の中で自問自答しておりました」

くるみがフフッと笑うとニコっと微笑んだ

くるみのマンションの下に着くとここで大丈夫ですと断ったが、いけませんとピシャリと拒否され玄関までやってきた

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