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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

教室に戻ると笑顔で帰ってきた菫と陽

「菫、どうだった〜?」

「バッチリです!小島っちゃんもウチと矢川には力不足だと言うことをわかってもらえてお役ご免だよ〜」

「先生が引き下がるなんて珍しいね」

「最初は何を言っても聞いてくれなくて焦ったけど、みんなが楽しみにしている文化祭はやる気のないうちらよりやりたがっている生徒に変えたほうがいいって力説したんだよ〜。そしたら解ったって!」

「へ〜、やりたがっている人って?」

「もちろん、くるみちゃんだよ〜 さっき楽しそうって言ってたでしょ?」

「はぁ? …菫、私を先生に売ったでしょ!」

「まぁまぁ、くるみも一人じゃ不安だから男子からは相悟を推しといたぜ!頼り甲斐あるから先生もみんなも安心だろ」

「菫、陽… お前たち覚えてろよ?」

相悟が二人を凍りつくような笑顔でニッコリ微笑んだ

「くるみちゃん、おそらく先生は事前に決めることを忘れていて約1ヶ月前の今日、職員会議で思い出したに違いない… 内心焦っているはずだから俺たちが話に言ってもダメだと思う。諦めて一緒に頑張ろう?」

「… わかった。私にできるか解らないけど、やるだけやってみる」

授業前にトイレに行き廊下を歩いているとA組の教室前で村瀬がまるで幽霊を見ている様な顔でくるみを見ていた

村瀬が近づこうとしたが予鈴が鳴ったのでくるみはバイバイと手を振ると教室に入った

携帯が鳴ったので確認すると村瀬からラインで[なんで⁉︎]と入っていたのでリスが?と首をかしげているスタンプを送ってフフっと笑った

「くるみちゃん、村瀬と付き合っているの?」

相悟が菫と陽の前で唐突に聞いてきた

「え?」

「はぁ〜、村瀬と?」

「違うよ、相悟。まだ付き合っていないけど両思いみたいだから時間の問題だよ〜」

菫がご丁寧に頼んでもいない説明をする

「菫〜!だから私まだ… 」

「くるみ、俺と別れてまだそんなに経ってないのにどういう事?しかもなんで相悟じゃなくて、村瀬なんだよ!」

「ちょっと!陽、やめて!」

陽の大きな声でクラス中に好奇の目で見られ魂が抜けそうになったところで本鈴が鳴りくるみは無気力で席についた

授業が終わり休み時間になると菫と陽をこっ酷く叱ったくるみはようやく立ち直りかけたが教室に村瀬が現れ、また注目を浴びることになった

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