テキストサイズ

彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「困ったことに返されても俺、着れないからさ〜。貰ってくれると選んだ葛西も喜ぶよ?」

「いえ、私は」

(葛西さんがエッチなパジャマ選ぶのって意外…)

くるみが無言で黙っていると楓が爆笑してシュンの腕をぺちんと叩いた

「シュン人が悪いぞw 葛西さんにジーナと女友達2人くるからいろいろ用意してって頼んだんだよ。高校生って事もくるみちゃん達について何も知らないまま用意させられて…葛西さん、可哀想だよねw」

葛西を見ると少し恥ずかしそうにしていたが時計に目をやるとキリッとした表情に変わった

「駿介様、次の予定がございますので参りましょう」

「はぁ〜、わかったよ! くるみちゃん、またね♡」

「バイバイ!マイエンジェル♡」

リムジンに乗って投げキスをする楓達に手を振り見送ったくるみは、大きい箱をどう持って帰ろうか考えながら振り返ると、ニヤニヤした小島が立っていた

「森野〜、今の6人のうちの2人か? 大学生とはやるな〜」

「違います〜!それにもう健全な恋愛に王手ですから」

フフンと勝ち誇った様に図書室に戻ろうとするくるみ

「お、じゃあ矢川から村瀬に乗り換えたって噂は本当か?」

小島の問いに思いっきり転んだ

「大丈夫か〜?」

「なんですか!その噂⁉︎」

転んだ拍子に箱から中身が少し溢れて、ランジェリーが顔を出した

「森野…王手どころか詰んでるんじゃねーか? 」

「さ、最悪…」

くるみは小島に生徒指導室に連れて行かれ下着を学校に持ち込んだ経緯を説明し、お咎めなしで釈放された

「まったく…もう持ってくんなよ?」

「好きで持ち込んだんじゃないですよ!説明したでしょ」

「ところでお前、図書室の窓閉めた?」

「まだですけど?」

「早く閉めてこい。今なら車で送ってやるから」

「え! いいんですか?」

「こんなデカイ箱持って帰れねーだろ? 気が変わらない内に駐車場から車取ってくるから裏門で待ってろ」

小島はくるみの箱を持って反対方向に向かった

「わかりました!」

図書室に戻り窓とドアを閉めると村瀬に抱きしめられた事を思い出し胸がキュンと締め付けられたが、急いで鍵をしめて裏門に向かった

すでに1台の大きい車が止まっている

「森野!早く乗れ」

くるみが走って車に乗り込むと確認して小島はすぐに発進した

ストーリーメニュー

TOPTOPへ