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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

村瀬の声が聞きたかったが諦めようと思って携帯を置くと着信が鳴った

「もしもし」

「すみません、風呂に入っていました。大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫!」

「寝る前にくるみの声が聞きたくて電話してしまいました」

「私は構わないけど明日も朝練早いんじゃない?大丈夫?」

「大丈夫です。それより僕と付き合って下さい」

「…うんって言うまで続けるの?」

「それもいい考えですね!ですが、嫌われそうなので考慮します」

「…じゃあ大会でスリーポイントシュートが決まったら付き合う? 」

「え?」

「ごめん、忘れて!真剣な大会なのに不謹慎だね、私…」

「いえ、忘れません。決まれば付き合う。いいですね?」

「でも…私は」

「くるみから言い出したので撤回は出来ません、約束です」

「村瀬くん…」

「俺は絶対決めます。そうしたら苗字ではなく名前で呼んで下さい」

「…わかった、頑張ってね」

「くるみ、大好きです。それではおやすみなさい」

「おやすみ」

電話を切っても心臓のバクバクが止まらなかった

(私、なにバカなこと言ってんだろう… 村瀬くんのこと好きって伝えるべきだったのに…理由はよく解らないけど気付いたら好きになってたって…)

くるみは明日の準備をしてベッドに入ったが、なかなか眠りにつけず携帯を開いて村瀬とのやりとりのラインを読み返していると、再び相悟からラインがきた

[くるみちゃん、鈴木に変なことされた?]

[ 誰?]

[化粧が派手でワンレンの巻き髪]

[あぁ! 今朝ぶつかってきた子かも]

[ごめん、俺の所為だ。明日はっきり言うから]

[話が見えない。なに?]

[鈴木が君に嫌がらせをしているって園川から聞いたんだ。理由は告られてフったけど勘違いして逆恨みしているみたいだ]

[そうだったんだ。別に何も言わなくていいよ?あの手のタイプは悪化しそうだし]

[でも俺の配慮が足りなかったから…好きな子がいるって言っただけで名前は言わなかったんだけど直後くるみちゃんを追いかけたから]

[ラブホの時?]

[そう。本当ごめん]

[相悟くんの所為じゃないよ、気にしないで?]

[…わかった。でもまた何かあったら教えて?]

[うん、おやすみ]

[おやすみ]

(園川って誰だろう? まぁ、明日聞けばいいか)

くるみはやがて眠りについた

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