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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

翌日、くるみは学校に着くと職員室に向かい小島に夏休みの宿題を渡した

「おはようございます!授業で答え合わせをしたページもありますが、ようやく自力で終わりました。すみませんでした(あと昨日ありがとうございました)」

「おう、遅せーよw でも達成することに意味はあるからな? これが終わったら森野に渡そうと思っていた問題集があるんだよ」

どこいったかなと引き出しを開けて探す小島

「先生、私ちゃんと図書委員やりますから問題集いりません!」

「こういうのは継続して意味があるんだよ!あ、あった」

教科書くらい分厚い問題集にくるみの顔は憂鬱になった

「なんだ、その顔は!そんなに嬉しいかw」

「先生…本当にそう思っているなら眼科を受診された方がいいですよ」

「俺の身体の心配してくれるならこの問題集解いてくれ。お前のテストを見るたびに胃がキリキリ痛むんだよ」

くるみは小島から問題集を受け取るとため息をついて職員室を出た

職員室を出たところに例のボブヘアーの女の子と出くわした

「森野さん…」

「はい?」

「あの、ちょっとお話しいいですか?」

「私は構わないけど職員室に用事があるんじゃ?」

「後にします」

ニッコリ微笑んできたので警戒心を解くと一緒に職員室から離れた階段の方に移動した

「あの…昨日は友達が森野さんに嫌な事してすみません」

ペコっと謝られてくるみは彼女の派手な見た目と違い謙虚な姿勢に面喰らった

「大丈夫です。お友達にも理由があるだろうし…」

「私もリカの事、ひどいと思ったけど見た目と違って昔から気が弱くて…何も言えないの」

「あの…?」

「ごめんなさい!私A組の園川って言います。森野さんがまだ陽と付き合っている時に遊びに行った事をずっと謝りたくて…本当にごめんなさい。言い訳に聞こえるかもしれないけど誘われたから別れたと思っていたの」

「ああ。あの時は確かにショックだったけど、もう過ぎたことだし気にしないで? 悪いのは陽だし」

くるみが笑うと園川はホッとした顔をした

「前から森野さんに話しかけたかったんだけどなかなかチャンスがなくて…だから今日はすごく嬉しいな」

「本当? 放課後は大体図書室に居るから良かったら遊びに来て? じゃあ、行くね!」

くるみは園川に別れを告げると急いで教室に向かった

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