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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「ちょっとヤキモチです。くだらなくてすみません」

村瀬はくるみの頰から手を離すとまた頭をポンポンと撫でた

「もー! 顔が真ん中に寄っちゃったらどうすんの!」

「絶対ないから安心して下さい。それより理科の実験、ちゃんと集中しなきゃダメじゃないですか」

「最後はちゃんと見たよ?」

「過程が大事なんですよ。 数学だけでも時間かかるのに理科もとなると骨が折れますね」

「教えてくれるの?」

「一緒に進級出来ないと困りますから。その代わりちゃんと授業中は集中して下さい」

「わかった! 村瀬くんありがとう」

くるみがにっこり笑うと村瀬は満足したように去っていった

席に戻ると相悟がびっくりしていた

「村瀬ってあんな表情も出来るんだな、驚いたよ」

「私は仏頂面も好きだけどね」

相悟がノロケるなよ!と笑い、自分の席に戻っていった


放課後くるみは図書室に着くと、窓を全開にした

「ん〜、今日も気持ちいいな♪」

少し風に当たっていると村瀬がやってきた

「くるみ、本の返却に来ました」

「ありがとう!もらうね」

本を受け取ろうとすると村瀬がくるみの腕を掴んで引き寄せた

「わわっ!」

村瀬の胸の中にすっぽり収まると村瀬はギュッと抱きしめた

「こうやって充電しないと部活を頑張れません」

「大丈夫? 無理はしないでね」

「はい」

ガラっと急にドアが空いて、園川が抱き合う二人をみて硬直した

「ご、ごめんなさい!ドアが開いていたから…」

「いえ鍵をかけ忘れた僕の責任です、じゃあ」

村瀬は何事もなかったようにくるみにふっと笑うと去っていった

「本当にごめんなさい!」

「ううん!私がごめんなさい。恥ずかしとこ見られちゃった〃」

申し訳なさそうに謝る園川にくるみは真っ赤になった

「園川さん、来てくれて嬉しいな。本を借りに来たの?」

「本はあまり読まないかな、実は森野さんと少し話したくて…」

「なに?」

「その…村瀬くんとの噂について聞きたかったんだけど」

「噂…私は聞いたことないけど陽から乗り換えたってやつかな? 実は村瀬くんとはまだ付き合ってないの。告られて話すようになったのは陽と付き合っている時だけど、彼を好きだって自覚したのはごく最近なんだ」

「じゃあ宮澤くんとは?」

「相悟くん? 普通に友達だよ。だって親友の元彼だもん」

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