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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「時間かかりそうだったから、怪我はないか?」

「大丈夫です…先生は?」

「怪我はないが…お前ほんと気をつけろよ」

ポンとくるみの頭を叩くとトントンと消臭剤の容器を叩く

「説明書を読め!ここ何て書いてある?」

「中の薄いビニールは外さないで下さい…」

「ったく!ちゃんと掃除しろよ」

小島は行こうとするとくるみは呼び止めた

「先生今から部活ですか?」

「そうだけど?」

「胴着に着替えたらシャツ貸してください。ボタン付けます」

「いいよ、別に」

「先生は独身だしボタン付けてくれるような彼女いないでしょう? 私、裁縫は得意なので貸して下さい。ソーイングセットもありますから」

小島は何か言いたげにしていたが、やがてバサッとシャツを脱いでくるみに投げた

「ボタン付けたらここに置いといて。後で取りにくるから鍵閉めて帰っていいぞ」

Tシャツ姿で小島は出て行った

(びっくりした〜!こんなフラグ立たなくていいよ〜)

辺りをみてため息をつくと箒で散らかした消臭ビーズを容器に戻して、小島のシャツのボタンを付け直し、ついでに袖のボタンも取れかかっていたので直してキチンと畳んで置いた

コピー用紙にすみませんでしたと書いてシャツの上に置いて戸締りをして帰った

くるみは一旦家に帰り着替えると駅前にジーナのドレスを取りに行き、焼き菓子を買って菫の家に向かった

インターホンを押すとマミーが出迎えてくれた

「くるみちゃんいらっしゃい! 待ってたわよ〜♡」

「マミー昨日はありがとうございました。これ良かったらどうぞ」

「も〜うちに来るときは何も買わなくていいわよ!」

マミーは受け取ると袋の中を確認した

「菫にくるみちゃん来るって聞いたからフルーツケーキ焼いたのよ!それはお家にお土産に持って帰ってね?」

「いや、悪いですよ!」

「いいのよ〜! 葵は食べれないし、楓も菫も近頃じゃあまり食べてくれないけどこういうの作るの楽しいから止められないのよね」

菫が2階から降りてきた

「あ! くるみ来てたの?早くおいでよ〜」

「お邪魔しています」

「飲みもの持っていくから待ってて〜」

菫の部屋に上がると奥の楓の部屋からドンドンドンとベースの重低音が響く

「お待たせ〜! ちょと待ってて」

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