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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

菫はトレイをテーブルに置くと部屋を飛び出し楓の部屋をドンドン叩いて踏み込んだようだ

「かえで〜!かえで〜!! うるさい〜!!!」

途端に静かになってバタバタ足音が聞こえた

「くるみちゃん〜! いらっしゃい!」

楓が部屋に飛び込んできた

「楓さん、こんにちは」

「今日も可愛いね!今度クラブでアニソントランスイベントやるんだけどおいでよ〜?」

「いえ、クラブは…」

「高校生が行けるわけないでしょ〜? 邪魔すんな!」

菫が楓を追い出すと菫はくるみにネイルをしながら村瀬との話をした

「くるみって、普通に付き合えないの〜?」

「咄嗟に言っちゃって訂正しようとしたんだけど…後悔してる。村瀬くん練習とか無理してそうだし」

「好きなら普通に付き合いなよ〜」

「好きなんだけど…気付いたら好きになっていたから自信なくて…」

「なんの自信だよ!って、時間大丈夫? 楓に家まで送らせようか?」

「大丈夫! じゃあこれジーナさんに宜しく」

「承った! 気をつけてね〜」

マミーにケーキをもらいお邪魔しましたと挨拶をして菫の家を後にした

駅前を通り過ぎると陽と奈緒と鉢合わせた

「くるみ何してんの?」

「菫の家に寄っていたの。二人は部活帰り?」

「そう、腹減ったからなんか食っていこうかって話してたんだ」

「ね!くるみちゃんも一緒にごはん食べない?」

奈緒が屈託無い笑顔でくるみを誘う

「奈緒、くるみは…」

「奈緒ちゃんごめんね!一緒したいんだけど夕飯作らなきゃいけないんだ。また学校で話そう」

「え〜そうなの? 残念; また明日ね!」

二人に手を振り別れようとしたが、陽に話しかけた

「陽、バスケ部もう終わったの?」

「ん?全体練習はね。村瀬なら取り憑かれた様に自主練してるよ」

「そうなんだ…ありがとう!」

「くるみ、付き合うなら村瀬より相悟の方が…痛!」

奈緒が陽の背中を叩く

「余計な事言わないの! またね、くるみちゃん!」

くるみは笑って手を振り陽達と別れると急いで学校に戻ると体育館をそっと覗いた

村瀬が一人離れたところからシュートの練習をしていて、周りはボールだらけになっている。おそらくスリーポイントシュートの練習をしているのだろう

(まだ怪我治ったばかりなのに…余計な事言わなきゃ良かったな)

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