彼女の恋愛
第13章 村瀬と彼女
くるみはなつみにコンビニに行ってくると伝えて外に出た
エレベーターの鏡を見てグレーのボーダーのスウェットに紺のダボっとしたゆるニットとモロ部屋着なのに気付き恥ずかしくなったが、待たせたくなかったので急いだ
マンションの入り口に着くと村瀬が石垣に座って空を見ていた
「村瀬くん、お待たせ!どうしたの?」
「くるみ、家事お疲れ様です。すぐに済みますので少し歩きませんか?」
「…うん」
一緒に並んで歩くのがすごく久しぶりに感じてくるみはそれだけで嬉しかった
「飲み物ありがとう。助かりました」
「声かけなくてごめんね。邪魔したくなかったの」
「わかっています、でも出来れば次は声かけて下さい」
「なんで?邪魔になっちゃうよ」
「くるみと一緒に居たいから頑張っているんですよ? 邪魔なわけないじゃないですか…」
少し歩くと見覚えのある大きい建物、看板に村瀬書道教室の文字が見えた
「え?」
くるみが戸惑うと構わず手をつなぎ、ドアを開けて中に入る
「村瀬くん?」
「こっちです」
くるみは慌ててサンダルを脱いで揃えると村瀬に手を引かれて後を追う
家の中は暗くて他に人がいる気配がなかった
「お家の人、留守なの?」
「はい」
「留守中でしかもこんな時間にお家にお邪魔する訳には…」
「いいんです」
2階に上がり角の部屋の前に着くと村瀬はドアを開けてくるみを中に入れた
勉強机と加湿器とベッドだけの殺風景な部屋に似つかわしくないイチゴの付箋が2枚、机の横に貼られていた
村瀬は部屋の電気も付けずに後ろからくるみを優しく抱きしめた
「…死ぬほど落ち着く。自主練終えてからずっとこうしたかった」
「村瀬くん…妹が心配するから少しだけだよ?」
「わかってる」
「敬語じゃなくなってるよ…」
「そんなのどうでもいい。もうあんな飲みものだけ置いていくとかしないで? 抱きしめたくておかしくなるから…」
くるみの心臓はここ最近で一番高鳴っている
「ごめん…」
「謝ってもだめ」
村瀬は抱きしめていた手を離し、くるみの顔に手を添えてキスをした
少し長めの唇が触れるだけのキス、ゆっくり目を開けて離すと村瀬はくるみの頰を優しく撫でた
「こんなキスじゃ足りないし、本音を言えば押し倒したいんだけど。でも日曜までしないから安心して?」
エレベーターの鏡を見てグレーのボーダーのスウェットに紺のダボっとしたゆるニットとモロ部屋着なのに気付き恥ずかしくなったが、待たせたくなかったので急いだ
マンションの入り口に着くと村瀬が石垣に座って空を見ていた
「村瀬くん、お待たせ!どうしたの?」
「くるみ、家事お疲れ様です。すぐに済みますので少し歩きませんか?」
「…うん」
一緒に並んで歩くのがすごく久しぶりに感じてくるみはそれだけで嬉しかった
「飲み物ありがとう。助かりました」
「声かけなくてごめんね。邪魔したくなかったの」
「わかっています、でも出来れば次は声かけて下さい」
「なんで?邪魔になっちゃうよ」
「くるみと一緒に居たいから頑張っているんですよ? 邪魔なわけないじゃないですか…」
少し歩くと見覚えのある大きい建物、看板に村瀬書道教室の文字が見えた
「え?」
くるみが戸惑うと構わず手をつなぎ、ドアを開けて中に入る
「村瀬くん?」
「こっちです」
くるみは慌ててサンダルを脱いで揃えると村瀬に手を引かれて後を追う
家の中は暗くて他に人がいる気配がなかった
「お家の人、留守なの?」
「はい」
「留守中でしかもこんな時間にお家にお邪魔する訳には…」
「いいんです」
2階に上がり角の部屋の前に着くと村瀬はドアを開けてくるみを中に入れた
勉強机と加湿器とベッドだけの殺風景な部屋に似つかわしくないイチゴの付箋が2枚、机の横に貼られていた
村瀬は部屋の電気も付けずに後ろからくるみを優しく抱きしめた
「…死ぬほど落ち着く。自主練終えてからずっとこうしたかった」
「村瀬くん…妹が心配するから少しだけだよ?」
「わかってる」
「敬語じゃなくなってるよ…」
「そんなのどうでもいい。もうあんな飲みものだけ置いていくとかしないで? 抱きしめたくておかしくなるから…」
くるみの心臓はここ最近で一番高鳴っている
「ごめん…」
「謝ってもだめ」
村瀬は抱きしめていた手を離し、くるみの顔に手を添えてキスをした
少し長めの唇が触れるだけのキス、ゆっくり目を開けて離すと村瀬はくるみの頰を優しく撫でた
「こんなキスじゃ足りないし、本音を言えば押し倒したいんだけど。でも日曜までしないから安心して?」