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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「ちょっ!消して〜!」

「ダメです。絶対消しません」

「お願い…隆盛、消して?」

「だめだよ。消さない…」

くるみは体制を変えてうつ伏せになった

「じゃあいいもん。もう頼まない」

「いじけないで下さい。困ります…わっ!」

村瀬が動揺した隙に形成逆転、くるみが上になり村瀬の携帯を奪って写真を削除した

「まったく…油断も隙もないんだから!」

「隙だらけなくるみが悪いんですよ(写メ救済アプリがあるのは黙っておこう)」

「でも元気そうで良かった。連絡ないから体育館で倒れていないか心配だったの」

「体力には自信ありますから」

「ねぇ、ごはんはちゃんと食べた?」

「簡単にですが…なぜです?」

「お家の人、いつまでお留守なの?」

「たぶん週末には戻るんじゃないですか」

「よかったら明日お弁当作ろうか?いつも作ってるから1つ増えても変わらないし」

村瀬は時が止まったように固まったと思ったら急にブツブツ独り言を始めた

「くるみが、俺に手作り弁当⁉︎ あり得ない…そんな幸せなこと怖すぎる…。ここは断った方がいいのか…でもこんな幸せ2度と来ないかもしれないし… 」

「大袈裟だよ!別にお弁当くらいいつでも作るよ?」

まだブツブツ自問自答を繰り返す村瀬に呆れてくるみは立ち上がった

「遅いしもう帰るね。いらないなら、いいよ」

「待って! 要る、要ります!」

村瀬がくるみの両手を掴んで答えた

「最初から素直にそう言ってよね」

掴まれた両手を離すとよしよしと背伸びして頭を撫でた

「くるみ、僕は付き合う前からこんなに幸せでいいのでしょうか… いまこんなに幸せなら付き合った後どうなるか怖いです」

「今と何も変わらないよ!それより私そろそろ帰るね」

「くるみは強いですね…家まで送ります」

「強くないよw 村瀬くんがネガティブに考えるなら、私はポジティブに考えるようにしてるだけ! 足したら丁度いいでしょ?」

「くるみ…頭いいですね!数学はくるみに習おうかな」

「バカにしてるでしょ! もう本当帰る」

「怒らないで下さい!送ります」

二人で手をつないでくるみのマンションに向かった

「じゃあ、また明日」

「お弁当楽しみにしています。おやすみなさい」

「おやすみ」

村瀬はくるみをギュッと強く抱きしめて頭にチュっとキスをして離れた

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