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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「保健室で休んでいるから後で様子見に行ってみ?」

「教えてくれてありがとう。後で様子見てみるね」

「しかしビックリしたよな〜。練習試合中にボール奪ってスリーポイントシュート狙ってそのままカクンと糸が切れた人形みたいに崩れ落ちたからな。最初ギャグだと思ったど村瀬だしw」

「そういえば最近スリーポイントにこだわるよな」

陽と相悟の話もあまり耳に入らず一秒も早く村瀬の顔を見たくて焦燥感にかられながら1限の授業を過ごすのだった

休み時間になり先生が出て行くのと同時にくるみは保健室に急いだ

ノックして入ると保険の先生は不在でカーテンがかかったベッドの中を覗くと村瀬が眠っていた

そっと中に入り寝顔をマジマジと見ると深く眠っているようだ

(良かった〜 相悟の言う通り大したことななさそう)

髪の毛をサラっと撫でると気持ちよさそうにするので数回撫でておでこにキスをした

「くるみ…? ここは…?」

「ごめん!起こしちゃった? 朝練中に倒れたみたいで保健室だよ。覚えてない?」

「…なんとなく覚えています」

「昨日、寝てないの?」

「ベッドにくるみの髪の毛が落ちているのを見て、くるみが隣にいる気になった所為かいつもよりグッスリ眠れました」

「ごめんね、髪の毛は捨ててくれる?w じゃあなんで貧血で倒れたの?」

「…もしかするとアレが原因かな」

「アレ?」

「くるみのお弁当をより味わう為に5時に起きてランニングをして朝練までの時間トレーニングしました」

「⁉︎ 朝ごはんも食べないで?」

「はい」

「…そんなん誰だって倒れるよ。 次そんなことしたら二度と作ってあげないからね!」

「ごめんなさい」

「もう少し休む?いま一限終わったよ?」

「いえ、戻ります。制服に着替えないと…」

村瀬は上半身を起こすと上履きを履いて立ち上がったが、ふとくるみを見ると引っ張って抱きしめた

「…やっぱり2分だけこうさせて下さい」

「だめ。心配かけたんだから反省しなさい」

「もう反省しました」

ふっと笑い両手でくるみの頰を包み顔を寄せてキスをする

唇と唇が触れるだけのキスだがくるみは一気に乙女モードに入ってしまい高なる鼓動が村瀬に聞こえないか心配になった

「うん、元気もらいました。じゃあ着替えに部室行きます」

「あ、うん…じゃあお昼にお弁当渡しに行くね」

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