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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

昼休み、くるみはお弁当を渡しにA組の教室を覗くと机に座りノートに何書いている村瀬が居た

「村瀬くん、これ」

「くるみ、ありがとうございます…」

村瀬が嬉しそうにお弁当を受け取る

「なに書いてるの?」

「1限の授業のノートを借りたので移しています」

「コピー取れば?」

「書かないと頭に入りませんから」

「そっか、さすがだね! じゃあ私行くから」

「待ってください!…一緒に食べませんか?」

くるみは顔を赤くしながら言う村瀬が愛おしくてクスっと笑った

「いいよ。菫に言って、自分のお弁当取ってくるから先に行ってて?」

チャリっと図書室の鍵を渡した

「わかりました」

「後でね」

A組の教室を出たところに以前ぶつかってきた鈴木と思われる女生徒と遭遇した

「うっぜ…A組に来てんじゃねーよ」

ボソッと言われたがくるみは無視を決め込んで後にした

「菫!ごめん。今日、村瀬くんと食べてもいい?」

「友情より愛情なのね〜! って、相悟と食べるから別にいいよ」

「切り替え、早っ! 相悟くんと?」

「うん、じゃあ行ってらっしゃ〜い」

珍しい組み合わせに驚いたが図書室に向かった

ドアを開けると村瀬が中に居て、くるみに牛乳をくれた

「どうぞ?」

「ありがとう…お昼に私が牛乳飲むのよく知っているね」

「中庭で矢川と食べている時にいつも取られていたでしょう?」

「記憶力良すぎ…」

笑って椅子に座るとお弁当の包みを開けていただきますと真剣に手を合わせる村瀬

蓋を開けるとキラキラと目を輝かせた

「今日は和風の献立にしてみました!どれも自信作だけど口に合わなかったらごめんね? いただきます」

村瀬は炊き込み御飯を口に入れる

「美味しい… 」

「本当? 良かった」

パクパク無言で食べる村瀬に安心して自分も橋を進める

「ご馳走様でした」

「お粗末様でした!」

「こんなに美味しいお弁当は初めてです」

「どれが一番美味しかった?」

「どれも美味しすぎて甲乙付けがたいです…もし順位を決めなくてはいけないのなら明日まで時間下さい」

「そこまでして決めなくていいよw」

「正直にくるみがここまで料理上手だと思いませんでした」

「そんなに喜んでもらえて私も嬉しい。もし今日みたいに朝ごはん抜いたりしなければまた作るよ?」

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