テキストサイズ

彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「うん!」

教室に戻り総悟とくるみは打ち合わせをした

「だいたい10席くらいかな。椅子と机はあるとして、上にクロスをかけて見栄えをよくしよう」

「シーチングの布をまとめて買って切って使えば安いかな」

「皿、コップ、フォークやスプーンは使い捨て。紙ナプキンも用意するか。で、こっからが問題!ウェイトレスは希望制にするけどやっぱり少しは見てくれがよくないとダメだと思う」

「う〜ん。じゃあ菫と陽は強制的にやらせよう」

「そうだね、復讐の意味も込めてw ウェイトレスはあんまり多くても仕方ないから交代も含めて10人でいいだろう」

「うん、キャラとかはまたSHで決めようか?」

「そうだね、あとは食べ物と飲み物だけど…これはくるみに任せていい?」

「わかった、来週までに考えてくる」

「俺も委員長や他のやつに相談してみる、じゃあそろそろ部活行こうかな」

「お疲れ様!頑張ってね」

相悟はバイバイと手を振って教室を出て行った

くるみは一人残って軽食や飲み物を考えていた

(軽食は作り置き出来るカレーとかサンドイッチ、ホットドックとかオムライス…お菓子は日持ちするものがいいか、前日から作れるクッキーとかカップケーキにデコレーションしてもいいかも)

一時間くらいあれこれ考えて図書室に向かい、いつもと同じように窓を開ける

文化祭の準備はこれくらいに西洋史のレポートを調べながら書いていく

くるみは古代ローマ帝国に関する書物をパラパラめくったものの小さい文字で細かく書かれている為、なかなか進まないでいた

(う〜ん、よくわからない; なんで名前がこんなに複雑なの…この人達覚えてもらえる気ないんじゃないの⁉︎)

「ディオクレティアヌス、コンスタンティヌス…」

ぶつぶつ書物を読みながら調べていると上からコンっと冷たいものが当たった

「村瀬くん!びっくりしたー!」

「部活前に寄ったら居なかったので…休憩中に来ちゃいました。これ良かったらどうぞ」

「ありがとう!ちょうど糖分が欲しくなったところ♡」

アイスココアの缶ジュースを受け取ると一口飲んでため息をついた

「おいし〜」

「くるみが古代ローマの文献を読んでいるのは意外ですね、復習ですか?」

「ううん。世界史の授業中少し考え事しちゃって田中先生に注意されちゃったの」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ