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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「田中名物、レポート地獄ですかw ローマ帝国についてですか?」

「西ローマ帝国の崩壊について20〜30ページだって; ついでに100年戦争も…」

「時代が随分めちゃくちゃですね…なんで100年戦争に?」

「考え事していた所為でうっかりジャンヌダルクは好きですとか余計なこと言っちゃったの…」

「…何を考えていたんですか?」

「な、内緒! 時間大丈夫なの?」

「そろそろマズイですね…じゃあ、行きます。時間がある時は手伝いますよ」

「ありがとう、ココアご馳走様!」

村瀬が屈んでくるみのホッペにキスをした

「私達、普通にキスしているけどまだ付き合ってないんだよね」

「表向きはもう付き合っていることになっているので、問題ないです」

ふっと笑って村瀬は図書室を出て行った

しばらくレポートを書いていたが18時近くなったので諦めて帰ろうと戸締りをしているとドアが開いて男子生徒が入ってきた

「あれ、まだ大丈夫ですか?」

「帰ろうと思ったけど少しなら大丈夫ですよ!」

「ごめんね、少し見たら帰ります」

(見慣れない人、1年生ではないな…)

茶髪にピアスがついた男子生徒はブレザーは着ないでシャツにゆるいピンクのベストを着崩してネクタイも緩めて着ている

「ねぇ、君が図書委員?」

「そうです」

「1年生かな?」

「はい、1年です」

「俺、2年の創(はじめ)って言うの。病気がちで学校にあまり来れなくて勉強遅れちゃってるんだけど、クラスにはなかなか馴染めなくて…君がいる時はここで勉強してもいい?」

「構いませんよ? 先輩、病気がちには見えませんね」

「ありがとうw 見た目も弱そうだと可哀想な子に見えるから、ちょっと見え張ってみたら間違えた方にいっちゃったかも…やっぱり茶髪とかピアスとかやめた方がいいかな…」

(なんか可愛い人だな)

「いいんじゃないですか? 着崩した制服も髪も似合っていますよ」

「ありがとう!実は痩せちゃったからブレザー着ると着られてる感酷くて着れないんだよw」

「そんな理由があったんですね…w 私がいない時は小島先生を捜して下さい。ここの鍵持っていますから!」

「そうなんだ…君の名前は?」

「あ、申し遅れました。1年E組の森野くるみです」

「可愛い名前だね」

「そうですか?小学生の時は名前が原因でいじめられましたよ」

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