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彼女の恋愛

第5章 期限付きの仮彼女

「関係あります。その子は僕のです。なので、手を離して頂けますか?」

指を差されたくるみと隣で捕まれている菫は ?となったが咄嗟に今は話を合わせる事にした

「村瀬〜! お前がちゃんと迎えに来ないからこんなアホなモブが調子に乗るんだよ〜」

ジャージに村瀬と書いてあるのをパッとみて菫が話す

「…あなたに呼び捨てされる覚えはありません」

「うわ〜 面倒くせ〜! いいからこいつどうにかしてよ〜!」

「うるせー! お前の彼女でも関係ねー!」

菫を離してくるみを連れて行こうとするモブ

菫は体育館の中に助けを呼びに走っていった、村瀬がモブに詰め寄る

185センチと長身の村瀬に見下ろされ萎縮したモブだがプライドを刺激されくるみを突き飛ばして村瀬に殴りにかかった

いとも簡単に攻撃を避けてモブは突っ込んだ勢いで転倒する

村瀬はくるみに手を差し出し引き寄せる

「あ…ありがとう」

「…どういたしまして」

盛大に転んだモブが立ち上がったので村瀬はくるみを自分の後ろ左手で庇うようにした

バン!という大きい音と共に体育館から陽と相悟と菫が駆け寄った

村瀬がくるみを庇っているのと対峙しているモブを見て陽の顔が険しくなる

「てめー!何してんだコラ!」

「陽!菫!他校で騒ぎを起こすのはまずい!」

すごい剣幕で怒鳴る陽と静かにモブを狩りに行こうとした菫をとめる相悟

モブは多人数に罰が悪くなったのか脱兎の如く逃げ出した

「待ちやがれ!1回息の根止めなきゃ気が済まねぇ!」

「1回止めたら終わりだよ?」

息巻く陽に冷静に突っ込む相悟

「矢川、あいつに構うよりも彼女の無事を確かめるのが先だと思いますが?」

村瀬が呆れた顔でいう

くるみはいろんな事がありすぎて頭が追いつかないが二の腕に残った感触に嫌悪し、陽の顔を見て安堵したのか涙が出てきた

「「くるみ!」」

陽がくるみを抱きしめようとするよりも早く菫がくるみを抱きしめる

「先に逃げてごめんね!あの眼鏡だけじゃ心配で助け呼びに行ったの」

「ううん、私こそ役ただずでごめんね」

二人は抱き合いながらワンワン泣いた

「村瀬がいてくれて助かったよ」

相悟が村瀬に声をかける

「たまたま居合わせただけですから」

しれっと答える村瀬に陽はイラつく

「村瀬、今回は助かった。礼を言う」

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