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彼女の恋愛

第5章 期限付きの仮彼女

納得いかないが陽がお礼を言った

村瀬は陽に礼を言われチラッとくるみを見て一言だけ返した

「あなたに礼を言われる筋合いはありません」

体育館に入っていく村瀬に陽はイライラした

「あ゛〜!ムカつく!なんであいつはいつも俺に突っかかるんだよ⁉︎」

「相悟〜 あの目つき悪い眼鏡だれ〜?」

「俺たちと同じバスケ部でA組の村瀬 隆盛(むらせ たかもり)無口で愛想悪いけど頭は良いし、陽以外にはそこまで悪い奴ではないよ」

あのクソ眼鏡!と陽は言いながらくるみの顔をじっとみた

「ごめんな、怖かったよな…俺が気付かなかったから」

「ううん、大丈夫! 気付かないのは仕方ないよ。それより時間大丈夫?」

「アップは済んだから…もし不安なら先に松岡と帰ってもいいけど出来れば俺が家まで送りたい。また何かあったら嫌だし」

「わかった。じゃあ終わるまで待ってるね」

くるみ達は体育館に入った



いよいよ試合が始まる

くるみと菫は観客席から見守った

陽達はベンチスタートだが村瀬はスタメンのようだ。高身長だからか1年生にはとても見えない

「あの眼鏡、キャラは好きじゃないけど顔とスタイルは良いよね〜」

「うん」

心ここにあらず…くるみは陽に大丈夫と言ったものの二の腕の嫌な感触がまだ残っていて集中出来ずぼーっとしていた

「矢川の所為で負けるね〜」

「うん」

「ウチって綺麗で美人だよね〜」

「うん」

「…わん!」

「うん」

駄目だこりゃと菫は声をかけるのを諦めた

しばらく劣勢だったが村瀬にパスが通った瞬間にゴールが決まった

綺麗なフォームに村瀬を嫌っていた菫も思わず見惚れた

(あの眼鏡、ちょっとかっこいいかも…相悟には内緒だけど〜)

20-25で休憩に入った

「今は負けてるけど〜相悟が試合に出たらあっという間に追いつくよね〜」

「うん」

「くるみ! いい加減に気持ち切り替えよう!」

菫が揺さぶってくるみは我に返った

「あれ?試合は?」

「いまは休憩中だよ、くるみ!」

菫はくるみの手を握った

「怖い思いして助かったから放心しちゃうのは解るけど、気持ち切り替えないといつまでも嫌な1日だよ〜? モブの件はバスケ部の顧問から厳重注意してもらうようにするから忘れよう〜?」

「…ごめん」

「謝らなくていいの!一緒に試合観よ?」

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