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彼女の恋愛

第13章 村瀬と彼女

「菫も一緒に来ない?」

「いかない〜 荷物早く置きたいし、足も疲れちゃった!よろしく言っといて〜」

菫と別れて村瀬に会う前に冷蔵コインロッカーからお弁当を取りに行って戻った

「お待たせ!村瀬くん早かったね」

「くるみ…今日は随分大人っぽいですね」

「そうかな…変?」

「可愛いですよ…ただいつもと違って緊張します」

「? なんで?」

「この靴下…エロい」

「もう!行くからね」

「あ、待ってください」

村瀬はくるみを追いかけると手を掴んで握った

「くるみの目線がいつもより高いです」

「ブーティー5㎝はあるからね! 170㎝あるよ」

「これはいいですね。キスがしやすいです…」

(なんか今日は会った時からエッチモードだな…)

「くるみ、それ持ちますよ?」

村瀬がお弁当の入った袋を指さす

「村瀬くん、お腹空いた?」

「それなりに空きました」

「これ、お弁当なの。さっきまで冷蔵コインロッカーに入れて置いたから傷んだりはしてないよ。食べる?」

「本当ですか!食べます!」

村瀬は袋を持ってくるみの手を握り歩き出した

「どこで食べるの?」

「?うちですけど?」

「いや、村瀬くん家はマズイって…」

「お弁当は温めた方がより美味しく食べれますよ?」

「そりゃ、そうだけど…」

「急ぎましょう。お腹ペコペコです」

いつもの帰り道を歩いてくるみのマンションを通り過ぎ村瀬の家の前に着く

「どうぞ?」

ドアを開けてくるみを招き入れる

「お、お邪魔します」

相変わらず家の人は留守のようだが、綺麗に片付いている

「すみません。練習後で汗臭いので先にシャワーを浴びてもいいですか?」

「うん、わかった」

「俺の部屋で待っていて下さい。飲み物とお弁当を持っていきます」

村瀬の部屋に行くと相変わらず殺風景な部屋だが、壁に貼られた付箋が浮きすぎて笑える

(村瀬くんってなんか可愛いんだよな…)

今日、くるみと撮ったプリクラを付箋の空いたスペースに貼っていたずらをした

机の上にはノートパソコンと辞典、参考書などがあり他には何もなく、くるみは椅子に座った

しばらくするとガチャっとドアが開いてデニムにカットソーとシンプルな服装の村瀬がトレイを乗せて入ってきた

「お待たせしました。いまテーブルを出します」

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