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彼女の恋愛

第14章 カレーと彼女

「さっき矢川が俺の知らないくるみを知っててすごく腹が立った…そんなこと言っても仕方ないのは判っているんだけど…」

「陽とは5ヶ月しか付き合っていないけど確かに隆盛の知らない私を陽は知っていると思う。でも私がアガサクリスティが好きな事を知らないし、お弁当は隆盛にしか作ったことないよ?」

くるみはニコッと笑って隆盛の腰に手を回して隆盛の顔を見上げた

「私も隆盛のこと知りたいし、これから時間をかけてお互いの事を知っていこう?」

隆盛はくるみの言葉を聞くとしっかり抱きしめてキスをした

軽いキスから深いキスに変わりくるみの体を弄っていく

「ん…たかもり…私言わなきゃ」

「なに?」

「その…ちょっとお腹痛くて…エッチできないかも」

くるみが恥ずかしそうに伝えると隆盛はフッと笑ってくるみの帽子を取り頭にキスをした

「ごめん。昨日の今日だから手は出さないつもりだったけど、くるみが上目遣いで見てくるから」

「見てないよ!隆盛がエッチだからでしょ」

「それは間違いないね」

笑いあうと隆盛はくるみをベットまで連れて行き一緒に寝転がった

「くるみの事が知りたい…何でもいいから話して下さい」

「そんな急に言われても…母と妹が二人いるよ」

「それは知ってます。お父さんはいらっしゃらないのですか?」

「去年に離婚したの。いろいろあって今は疎遠だよ」

「差し支え無ければ“いろいろ”について聞いても?」

「構わないけどつまらない話だよ。父は運送会社に勤めていて普段は気が小さくて周りの目や世間体を気にしてばかりだけど、酒乱でね。会社でミスしたりすると憂さ晴らしに飲んで帰っては暴れ物を壊してお母さんを殴ったり、時には私や真ん中の妹も殴られたりとか…」

くるみはギュッと左手で右手を強く握りしめた

「父が生活費を家に入れなくなって母が夜に働くようになってからが地獄だった。父が寝付くまで息を潜めて妹達にも言い聞かせて、いつしか心の病気になったんだけど、母が気付いて離婚してくれて今があるかな…」

隆盛はくるみをギュッと抱きしめておデコにキスをした

「大変だったのですね。今度何かあれば俺が付いているから…」

「ありがとう。心強い」

くるみは隆盛の胸に顔を埋めた

「隆盛のことも知りたい。教えて?」

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