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彼女の恋愛

第14章 カレーと彼女

なつみと葵の話を聞いてくるみは大いに咽せた

「大丈夫ですか? お茶です」

隆盛がくるみにお茶を渡すと一気に飲み干した

「なつみ変なこと言わないで!あれは先生だって言ったでしょ」

「先生?」

今度は隆盛が反応する

「シュンさんのプレゼントの箱が大きくてどう持って帰ろうか悩んでいたら小島先生が見兼ねて送ってくれたの」

「やはり小島か…」

ブツブツ言う隆盛を横目になつみに注意する

「特定の生徒を贔屓しているとかPTAとか他の教師や生徒の目もあるから先生には内緒にしろって言われてるの。今後一切この話は禁止ね!」

「はーい」

なつみがさくらんほを冷蔵庫にしまって奥の部屋に戻ると葵が呟いた

「たぶんその先生もくるみちゃんに少なからず気があると思うよ。くるみちゃんは自分で気付いてないと思うけど、そういうオーラっていうか男を惑わす小悪魔フェロモンあるからね」

「何ですか、それ? 初めて言われましたよw」

「そうでないとあの楓がマジになることなんてあり得ないもん。隆盛くんも大変だなw」

葵が隆盛の肩にポンと手を置くとブツブツ言っていた隆盛はスッと顔をあげてくるみを見た

「お気遣いありがとうございます。しかしくるみは誰にも渡しませんから」

言い切るとタンドリーチキンを頬張った

「隆盛くん、漢って感じね!かっこいいわ〜」

美羽がフフッと笑う隣でくるみは真っ赤になりながらカレーを食べた





「おばさん、お姉さんご馳走様でした!」

瑛人はお礼を言うと帰り支度をする

「瑛人くん、もう遅いから気をつけてね!」

「はい、お邪魔しました」

「私、下まで一緒に行ってくるね」

なつみと瑛人は外に出て行った

「俺もそろそろ帰ろうかな…」

葵が立ち上がると村瀬も立ち上がった

「僕も失礼致します。とても美味しかったですし、こんなに賑やかな食卓は久しぶりで暖かい気持ちになりました。ありがとうございます」

隆盛の言葉を聞いて美羽は何か勝手に妄想して涙ぐんでいる

「隆盛くん、良かったら毎日でもご飯食べにいらっしゃい!私は仕事で居ない時もあるけど賑やかさでは他所に負けないから」

「いえ、毎日はご迷惑になりますから…お言葉に甘えてお母様のいらっしゃる時にお邪魔します。それでは」

「隆盛お兄ちゃん、また遊んでね」

「こちらこそ遊んで下さい」

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