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彼女の恋愛

第14章 カレーと彼女

むつみに手を振ると葵と隆盛は一緒に外に出る

くるみが見送ろうとすると断った

「ここで結構ですよ、ラインします」

「わかった。気をつけてね」

エレベーターに乗り込む葵と隆盛を見て後片付けに取り掛かった



エレベーターの中で隆盛は葵に質問をする

「葵さんはくるみのお母様と真剣にお付き合いを考えていらっしゃるのですか?」

「なにその疑いの目www」

「いや、別に疑っては…」

「最初はね、くるみちゃんに気があって美羽さんに近づいたんだ」

葵が話すと隆盛はじっと葵の顔を見た

「都心のジムでインストラクターのバイトをしているんだけど、こう見えてマダム達に結構人気があるんだよ。だから美羽さんを懐柔してくるみちゃんに近づく予定だったんだけど…ミイラ取りがミイラになっちまったな」

エレベーターが1階についたので降りると葵は隆盛に忠告する

「君ならくるみちゃんを大事に出来ると信じてるよ。だけど、美羽さんの大事な娘を泣かしたりする様なことがあれば…」

ふっと笑って葵を見据える

「天と地がひっくり返ってもあり得ません」

エントランスを出ようとすると葵の携帯が鳴り、葵はバイバイと隆盛に手を振りながら電話に出た

先に進むとなつみとすれ違う

「隆盛さん、気をつけてね!」

「本日はお邪魔しました。おやすみなさい」

「いや、硬すぎだしw 年下に敬語とかやめてよ」

「くるみの大事な妹さん相手にタメ口などおこがましいので…」

「ウケんだけどw っていうか、こちらとしてはタメ口のが嬉しいんだけど」

「何故です?」

「だって敬語だと距離ある感じするじゃん? 」

「そうでしょうか…」

「うん!あ、でももっと仲良くなってからでもいいよ♡」

なつみはヒヒッと笑うとじゃーね!と手を振ってエントランスの中に消えていった

隆盛はくるみの家を見上げると背を向けて歩き出した



お風呂から上がり冷蔵庫から麦茶を取り出すと美羽がやってきてビールちょうだいと言った

「お母さん疲れたんじゃない?」

「いつもくるみにやってもらってるんだから、できる時にやらないとね〜」

笑いながら勢いよく缶ビールのプルトップを引っ張るとプシュっと音がした

「くるみお疲れ様」

美羽がくるみに乾杯と缶ビールを持ち上げたので麦茶の入ったグラスをコンと小さく当てた

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