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彼女の恋愛

第14章 カレーと彼女

「驚かせてすみません。くるみとこうして登校したくて」

「そういえば、男の子と一緒に学校行くの初めてかも」

「…やった」

小声で喜ぶ隆盛にくるみは笑ってしまった

「よく私がこの時間だってわかったね!」

「いえ、知らなかったです」

「え… 何時から待っていたの?」

「7時30分くらいからですかね…思ったより早かったです」

「…次からはちゃんと言って!45分も待ってたの⁉︎」

「くるみのリアクションが見たくてつい…次からは報告します」

しばらく手を繋ぎながら歩いて校門を通るとくるみは隆盛の手を外して代わりに包みを持たせた

「なんです?」

「お弁当だよ。私もサプライズ!」

「!」

隆盛はパァっと輝く様な笑顔をくるみに向けた

「ありがとうございます!すごく嬉しいです」

「ど、どういたしまして」

(隆盛の笑顔が可愛すぎる…)

下駄箱で上履きに履き替えると既に履き替えていた隆盛が待っていたので、歩きながら話を続けた

「でも、今日は一緒には食べられないや。さすがに連続だと菫に悪いし」

「そうですか…」

しゅんとする表情にもドギマギするくるみ

(隆盛って今まで無表情が多かったけど、表情の1つ1つが可愛いな)

「ごめんね、帰りは部活?」

「今日は部活はありませんが、文化祭の打ち合わせがあります」

「じゃあ一緒に帰ろう? 私、図書室で待ってる」

「くるみをお待たせる訳にはいきません。打合せを延期に…」

「ダメだよw それに私もレポートの続きがやりたいから好都合だし」

「わかりました。なるべく早めに終わらせます」

くるみの教室の前に着いた

「遠回りさせてごめんね。また後でね」

「はい、また後で」

くるみは隆盛の後ろ姿を見送ると教室に入ると菫が近寄ってくる

「くるみちゃ〜ん♡ おはよう」

「おはよう、なんかご機嫌だね」

「そお? いつもと一緒だよ〜♡」

「いや、いつもより3倍はメイクも濃いし、テンションも高いよ…なにかあった?」

「ん〜、内緒なんだけど…じつはね♡」

くるみの耳元でボソボソ話す菫にくるみの顔がみるみる変わる

「えぇっ〜! それ本当?」

「うん♡ 合コン中止になったし、ラインしていたら適当に遊ぼうよみたいな話になって〜デートしてみたら意外に優しくてそんな感じ♡」

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