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彼女の恋愛

第14章 カレーと彼女

「どうしたらそんな感じ♡になるの⁉︎ ちゃんと説明して」

「あ、本鈴だ。また後でね〜」

ひらひら手を振りながら席に戻る菫の後ろ姿を喰い入るように見つめた

「ちゃんと説明して!」

朝のショートホームルームが長引いてそのまま1時限が終わり菫の席に詰め寄るが…

「森野!2年の先輩が呼んでるよ」

入り口付近にいたクラスメイトに声をかけられて誰だろうと思いながら廊下に出た

「くるみちゃん♪」

「創先輩!おはようございます」

「やだな〜、そんな仰々しい挨拶はやめてよ」

ヘラヘラ笑う創にくるみは用件を聞く

「どうしたんですか?」

「図書室が何時くらいに開くのかなと思って聞きに来たんだよ」

「先輩だったら小島先生に言って鍵を貸しましょうか?」

「やだ。失くしたら怖いし、くるみちゃんに開けて欲しいから♡」

「じゃあ今からだと時間ないから次の休憩で開けましょうか?」

「うん♪ 急かしてごめんね」

二人の近くに長身の黒い影が寄ったかと思ったら隆盛がくるみの前に立ち塞がり創を無言で見下ろした

「隆盛」

「あ!くるみちゃんの彼氏かな?」

創がにっこり微笑むがピクリともせず無表情で見下ろす隆盛にくるみが呆れて声をかける

「2年の創先輩だよ、図書室を利用したくて来てくれたんだよ」

「そうですか」

未だ無言で威嚇する隆盛に創はにっこり笑い両手を挙げた

「やだな〜、そんなに睨まないでよ! じゃあ次の休み時間にお願いするね」

創の後ろ姿を見送って隆盛がくるみに向き直る

「僕も一緒に鍵を開けに行きます。いいですよね?」

「構わないけど…あまり先輩を睨まないで?病気で休んでいたから馴染めないんだよ」

「…わかりました」

ようやく肩の力を抜いてくるみの頭をポンと撫でた

「次の授業もちゃんと集中しなきゃダメですよ? 」

「わかってますよ」

予鈴が鳴り隆盛はA組の教室に向かって歩き出した

(ヤキモチ妬きなんだから…)

やれやれとくるみも教室に戻った



授業が終わり廊下に出ると既に創が待っていてひらひら手を振っている

「先輩、授業は大丈夫ですか?」

「担任に許可もらってるからね〜。いまやってるとこ習っても前のが判らないと進めないし?」

そうなんですねと歩きだすと隆盛もやってきた

「行きましょう」

「くるみちゃんの彼氏はなんて名前?」

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