テキストサイズ

彼女の恋愛

第15章 マーくんと彼女

書き上げたレポートを持って職員室に向かう

「失礼します」

中に入って田中の方に行くとチラッと遠くから小島が見ている

「田中先生、授業を聞いていなくて申し訳ございません。宿題のレポート持ってきました」

田中は受け取るとパラパラと確認した後に一枚一枚じっくり読んだ

「うん…簡潔だけどちゃんと調べて書き上げた努力を感じました。合格です」

「ありがとうございます、それでは失礼します」

深々頭を下げて顔を上げると小島と目があってバーカと言われた気がしてムッとしたが職員室を後にした

図書室に戻る途中にイチゴオレとブラックコーヒーを買って図書室に戻ると隆盛の姿があった

「居ないので心配しました。どこに行っていたのですか?」

「ごめん、レポート仕上がったから提出してたの。お土産だよ」

コーヒーを渡すと隆盛はありがとうと受け取った

「お化け屋敷どんな感じ?」

「学祭なのでテーマは七不思議に決まりました。4階の増える階段、開かずのトイレ、美術室の絵から抜け出す貴婦人、夜中の放送室、理科室の動く人体模型、音楽室のひとりでに鳴り出すピアノ。そして…」

イチゴオレをごくりと飲み込むくるみ

「最後は秘密です」

「言わないで!怖いから」

「これらの話は全て作り話ですから怖がらないで大丈夫ですよ。それより打合せ中もくるみのコスプレが気になって手に付きませんでした」

「こらこら、ダメでしょw 隆盛はコスプレとか好き?」

「興味はありませんが、くるみが着るなら見たいです」

「アニメ、ゲームキャラなんてわからないからな…せっかく選べるなら無難なやつにしようかな」

「ダメ。強いて言えばエプロンもつけて欲しくないくらい」

「エプロンはつけるよw」

笑って隆盛の頭をよしよしと撫でるとくるみの肩にポスっとおでこをのせた

「くるみ言い忘れていましたが、お弁当めちゃくちゃ美味かったです」

「本当?良かった!」

「俺、いますごい幸せなのに同時に不安も覚えるんです。くるみを失ったら生きていけないかも」

「なに言ってんの…隆盛がそんなに不安なら私まで不安になっちゃうよ?好きって言っても信じられない?」

「わかってはいるんですけど…それくらいくるみの存在が大きいんです」

「…今から少し時間ある?」

「俺は暇ですよ。くるみの方が時間ないのでは?」

「行こう」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ