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彼女の恋愛

第15章 マーくんと彼女

「隆盛くんには内緒。ちなみにこれも2時間くらいかな…」

「なにか理由があるんですか?」

「俺、病気がちだから家のやつに変な心配されるんだよ。でもシュンの知り合いでもあるくるみちゃんが彼女ならみんな安心するからさ」

「…それは断れないんですね」

「人助けだと思って、ね?」

「わかりました」

「ありがとう!日程はまた改めて連絡するよ。番号教えて?」

創と連絡先を交換する

その時、ガラっとドアが開いて小島が入ってきた

「なんだ、またお前らか。もうすぐ予鈴なるぞ」

「あ、本当だ。じゃあ私行きますね」

「またね。くるみちゃん」

図書室を出て校舎に戻ろうとすると険しい顔をした小島に手首を掴まれる

「な、なんですか?」

「岬と何していた?」

「岬先輩が自習したいと言ったのでカギを開けに来たんですよ」

「…お前あまり彼氏以外の男と無暗に二人っきりになんかなるなよ」

「なっ、創先輩は見た目はチャラそうだけどそんな人じゃありません!それに先生にそんな事言われる筋合いありません」

「…そうだな、余計な事だったな。でもこれはどうかな」

くるみの左手取って指輪を外す

「は?」

「は?じゃないよ。規則違反だ、反省の色が見えたら返却する」

「ちょっと待って…確かに違反ですけどみんな着けてるじゃないですか」

「これから強化していくって今朝、職員会議で決まったから」

「次からは外しますから返して下さい!」

「だめ、反省の色なし」

「っ…、先生なんか大嫌い!」

くるみは教室に向かってバタバタ走り去った

その後ろ姿をしばらく淋しそうに見つめて指輪を胸ポケットにしまい、小島もその場を後にした

教室に戻ると机に突っ伏したくるみを相悟が心配する

「くるみちゃん大丈夫? 具合悪い?」

「…ムカムカする」

「胃が痛いの? 保健室行く?」

「だいじょ…いや、やっぱり行ってくる」

「1人で平気?」

「大丈夫!」

次の授業が古典なのを思い出し小島の顔が見たくなくて保健室に向かった

保険の先生に症状を説明してベッドに横になった

(いつもはぶっきらぼうだけど優しかったのに…なんで急にあんな言い方するんだろう。あー、イライラする!)

小島の理不尽な対応にイライラしていたが目を閉じるとやがて眠りについた

夢の中で誰かの声が聞こえる

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