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彼女の恋愛

第15章 マーくんと彼女

「難しいけど半分半分かな〜。外も好きだけど行きすぎると疲れるし、家ばかりだと飽きちゃうし!でも隆盛と一緒なら何処でもいいよ」

くるみはそろそろ戻るね!とA組の教室を去っていった

(俺、くるみと付き合ってから理性と忍耐の意識下がったな…今も教室じゃなかったら襲ってたし)

ハァともう一度ため息をついて授業の準備を進めた



放課後くるみは隆盛に一言伝えて図書室に向かった

鍵を開けようとすると開いていて中を覗くと机に小島が座って居眠りしていた

(自分から言ったくせに何寝てんの?帰っちゃおうかな)

少しイラっとしたが自分のブレザーを脱いで肩にかけてあげると以前小島に押し付けられた問題集を解き始めた

しばらく問題を解いて前を向くと小島の気持ちよさそうな寝顏をマジマジと見た

(先生ってどこかで見たことあるような顔してるんだよね…特に目元。誰だっけ)

先ほどより顏を近付けて見てみるとくるみの携帯のバイブが鳴り小島が目を覚ます

「わぁっ! お前なにやってんだ!」

「…それはこっちの台詞です。自分から呼んでおいて何寝ているんですか?」

「すまん…」

肩にかかっていたブレザーが落ちたので拾うとくるみに返した

「起こしてくれて良かったのに、悪いな」

「優しくすれば居残り免除にならないかなと思って!」

「ならないよw しかし嫌われたものだな」

小島が自嘲気味に笑ったのでくるみはコホンと咳払いして静かに話した

「先生…さっきはごめんなさい。心配をしてくれているのはわかったんですけど岬先輩は本当にそんな人じゃなくて、病気で痩せてしまった体だとみっともないからって少しチャラくしているようです。学校もうまく馴染めないようなので少しでも力になりたいと思って、図書室の開け閉めくらいならと協力しているんです」

「…」

小島は黙って聞いている

「見た目よくないから誤解されても仕方ないけど小島先生には外見だけで判断して欲しくなくてついムキになっちゃいました…授業もサボってすみません」

ペコっと頭を下げて謝ると小島はようやく口を開いた

「いや、授業サボったのは兎も角、岬のことと指輪の件は俺が悪かった。すまない」

小島もペコっと頭を下げる

頭を下げた時に小さいつむじが二つあるのが見えて、くるみはあっ!と指を指した

「そっか!わかった!」

「あん?」

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