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彼女の恋愛

第15章 マーくんと彼女

「ごちそうさまでした」

「お粗末様でした」

なつみとむつみがお風呂の準備をして、くるみは後片付けの準備をしていると隆盛が袖を捲って皿を拭き始めた

「隆盛、いいよ!お客さまだから座ってて?」

「早く終わらせてくるみとゆっくり話したいので」

「…ありがとう!」

隆盛をみてニッコリ微笑むくるみ

後片付けを終えて隆盛を自分の部屋に通すと食後のコーヒーを淹れている間にお風呂のなつみ達に声をかけた

「姉ちゃん、隆盛と部屋に居るからね」

「はーい!エッチするなら声ださない様にね♡」

「こら、うるさいよ」

キャッキャと笑いあうお風呂場を後にしてコーヒーを持って部屋に行った

「隆盛、お待たせ…何してるの?」

「くるみの匂いがする。これ借りて帰ってもいいですか?」

隆盛がベッドに置いてあったクマの縫いぐるみを抱きしめて顔を埋めていた

「それはダメ!こっちならいいよ」

隣にいた像の縫いぐるみを渡すと隆盛はボソっとつぶやいた

「熊のが抱き心地いいので、熊がいいです」

「これは思い出の熊で小さい時から一緒だから居ないと落ち着かないの」

「…マーくんにもらったんですか?」

「うん。マーくんが地方の大学に行くときに…ってなんで隆盛がマーくんを知ってるの⁉︎」

慌てるが隆盛はスッとくるみの頰に手を添えた

「俺が知っても構わないでしょ? 昔の話なんだから…」

「恥ずかしいし、隆盛ヤキモチ妬きだから何となく…」

くるみが言い終えると優しくキスをしてそっと抱きしめた

「なんでだろう…隆盛にこうして抱きしめられるとすごく落ち着くの」

「俺もすごく落ち着きます。…仮の話ですが、マーくんが突然現れて好きだと告白してくるみもマーくんを選んだとしても俺別れてあげられないと思います…」

「なに言ってるのw マーくんは当時17歳だから今27歳だよ?こんな高校生相手にする様な人じゃないよ」

「仮にです。高校生のくるみを見て好きだと言ったらどうします?」

「どうもしないよ!私が好きなのは隆盛だもん」

「信じていいんですか…?」

いい加減怒ろうかとも思ったが不安げな隆盛の表情を見て代わりに微笑んだ

「うん」

クッションに座る隆盛の上に向き合う様に座り、首に腕を回して深いキスをした

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