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彼女の恋愛

第15章 マーくんと彼女

蓋を開けて隆盛に差し出すとパァっと顔が明るくなる

「いただきます」

受けとるとパクパク食べ始めた

「美味しい?」

「とても美味しいです…どうしよう」

「なにが?」

「くるみと結婚したら太りますね…3色こんな美味しいご飯出されたら確実ですよ」

「あははw ダイエットメニューも作ってあげるよ」

たわいもない話をしながらお弁当を食べているとふいに隆盛がマジマジとくるみの顔を見つめる

「くるみ、エビチリのソースが口の横に付いていますよ」

「え…取れた?」

「そっちじゃありません、ここです」

顔を近付けて指で拭う隆盛

「ありがとう」

「どういたしまして」

3階の方でガタっと音がしたのを聞くとくるみは特に気にもしなかったが、隆盛は内心ほくそ笑んでいた


最後の授業が終わり放課後になった

「じゃあね〜、くるみ」

「ばいばい」

菫に手を振りカバンを持って廊下に出ると隆盛が待っていた

「補習ですよね?行きましょう」

「隆盛も?」

「近くで大人しく本を読んでいるのでくるみは集中して勉強して下さい」

「え〜一緒に勉強しようよ」

「ダメです。頑張って」

図書室に向かい歩いていると呼び出し放送が鳴った

【1年A組村瀬隆盛、至急職員室まで来てください】

「今の杉崎先生の声だよね?隆盛なにかしたの?」

「身に覚えはありませんが…兎に角行ってみます」

隆盛は職員室に向かう為に反対の道を進むと、くるみはまっすぐ図書室を目指した

図書室に向かう途中の階段で小島が壁にもたれて立っているのを見た

「先生?図書室に入らないんですか?」

「森野…こっち」

近づいてグイっと手首を掴むとタッと走り出した

「先生⁉︎ どこ行くの⁉︎」

「…」

旧校舎の4階、今は使われていない元音楽室の様な教室だが中はやたら綺麗で何故かソファーとテーブルが置いてある

くるみを教室に入れると中から鍵をかけた

「先生? どうしたの?」

「…」

「…マーくん?」

「⁉︎ 思い出したのか?」

「ううん、隆盛が教えてくれたの。最後までピンと来なかったw」

「ふ、綺麗サッパリ忘れやがって」

「マーくんが言ったんだよ?俺の事は忘れろって…」

「いい女になったら付き合ってやるとも言ったぞ」

グイっとくるみを抱きしめて顔を寄せた

「マーくん⁉︎ ダメだよ」

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