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彼女の恋愛

第15章 マーくんと彼女

「ごめん」

謝りながら抵抗するくるみをソファーごしに押さえつけて舌を口の中にねじ込んだ

「んーっ!…ふ…んむ…」

嫌がる舌を無理やり絡ませ、吸ったり甘噛みしたり歯列をなぞったり堪能する

だんだん抵抗が弱まりダランと手が下がったところで唇を離すとトロンと潤んだ目で小島を見つめた

「勝手にくるみの前から居なくなったくせに俺を忘れててショックだったけど、くるみが幸せそうならそれでいいと思った。でもくるみとの距離が縮まる毎に自分を抑えることが出来なくなった」

「マーくん…」

「お前が好きだ。10年前からずっと」

「えっ…」

もう一度キスをされたが今度はとても優しいキスだった

「離して」

くるみは両手で小島を押しのけると、距離を取りながらソファーに座りなおした

「マーくんが私を好きだったなら何であの時に居なくなったの?なんであの時に言ってくれなかったの?10年近く放ったらかしにしたくせに今更いい加減な事言わないで!」

「…」

小島は悲しい様な寂しいようななんとも言えない顔でくるみを見ていたが、観念したように口を開いた

「本当、いい加減だよな。あの時は俺も17だったし、6歳の女の子を本気で好きになるなんて…血迷ったかと思ったよ。同年代の子と付き合えば俺もくるみも目が醒めるんじゃないかと思えば逆効果だったし…自分の気持ちに正直になろうと思った時にうちの親が俺がくるみにイタズラしているんじゃないかと変に勘ぐって、親父のコネで寮付きの九州の大学に推薦で行かされたんだよ」

「そんな…なんで話してくれなかったの?」

「…17の俺が受け入れられなくて親父にボコボコにされたのに6歳のくるみが受け止められると思わないよ。現にお前大泣きだったじゃん」

「急に居なくなるっていうからでしょ!ちゃんと話してらくれれば私はマーくんが帰ってくるの待てたよ」

「大学卒業してくるみに一度会いに行ったらおじさんが酔っててくるみはもう居ないから来るなって言われたんだ」

「嘘…その頃なら私まだあの家に居たよ」

間合いをつめてギュっと抱きしめた

「一番辛い時に近くにいれなくてごめん」

「マーくん…マーくんの気持ちはわかったけど元に戻るには遅すぎるよ」

「やだ」

「やだって子供じゃないんだから!」

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