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彼女の恋愛

第16章 日常的な彼女

翌朝

いつもの様にお弁当を持って下に降りると隆盛の姿が見えない

(約束していた訳じゃないけど気になるな)

携帯で連絡をするも出ず、くるみは隆盛の家に向かった

ピンポンとインターホンを鳴らすが応答はない

もう一度鳴らすが応答の気配はない

(なにか用事があって先に行っちゃったのかな)

諦めて行こうとした時に中からダン!と大きな音がした

(隆盛?いるのかな)

ガチャガチャ

ドアノブを回すが鍵がかかっており、ドアを数回叩くとようやく中からドアが開いた

「たかもっ…わっ!!」

くるみに倒れこむように隆盛が崩れ落ちてきた

「大丈夫⁉︎ ちょっ…どうしたの?」

「だ、だいじょう…」

なんとか転ばないようにお互い踏みとどまり、隆盛は自力で立ち上がろうとしたが力なく座り込もうとした

「具合悪い? とにかく部屋に行こう?」

「すみません…」

腕を肩にかけて支えるとすごく体が熱い事に気がついた

何度か転びそうになりながらも無事に部屋に辿り着きベッドに寝かせた

「隆盛、体温計どこにある?」

「右側の引き出し…リビングの」

苦しそうに息をする隆盛に待っててと声をかけて1階に降りた

リビングの引き出しを開けると薬箱が入っていて体温計の他に冷えピタなどもあったので、一緒に2階に持っていった

「お待たせ!熱測るよ?」

「くるみ…俺はいいから…がっこう」

「まだ間に合うから気にしないで?ほら、脇に挿して」

熱を測ると39度を越えていた

「39.2度⁉︎ 昨日は元気そうだったのに…」

「性欲…頭冷やそうとして…水風呂に…」

くるみはハァーとため息をついて冷えピタのフィルムを剥がした

「は〜、隆盛ってたまに本当バカだよね…」

ペチンと叩くように冷えピタを貼ると隆盛はビクッと体を動かした

「…冷たくて気持ちいい…」

「隆盛?ちゃんと説明して」

「…くるみの事が好きすぎて会えば触れたいと思うし、触れると重なりたくなる…でもそれじゃあ矢川の二の舞になるから強靭な心に鍛えようと、水風呂に…」

「バカ!…確かに陽とはエッチの価値観が違くて気持ちがすれ違ったけど隆盛と陽は違う人間でしょう? 陽の時はエッチがしんどくなっちゃったけど隆盛はそうじゃなくて、むしろその…」

段々声が小さくしどろもどろになるくるみ

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