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彼女の恋愛

第16章 日常的な彼女

「…私が構います」

「くるみはさー、村瀬のどこが好き?」

「…なんですか、急に」

「教えてくれてもいいじゃん」

「一途で嘘がなくて大事にしてくれるところです。彼は誰かさんと違って急に居なくなったりしませんから…」

「他人行儀な話し方w…ほんと傷つくけど頭撫でられるのは抵抗しないよね?昔から好きだし」

くるみは顔を赤くして小島の手を払った

「意識していませんでした…もうやめて下さいね」

「やだよw 」

小島は立ち上がりカウンターをヒョイっと越えると払われた手でくるみの腕を掴み無理やり引き寄せた

「わっ!」

バランスを崩し小島の胸に抱きしめられる

「は、離して下さい!」

「…めちゃめちゃ心配して家に何回も電話したよ。次は具合悪かったら俺に直接電話して」

「しないし、番号知らないし!っていうか、離して」

くいっとくるみの顎を掴むとじっと見つめられた

「あまり心配かけないで…」

真剣な熱っぽい眼差しと時折ふわっと香るタバコの臭いがくるみの胸の鼓動を早くする

「マーくん、本当やめて!」

くるみは体を押しのけると距離をとってキッと睨んだ

「もう行きます」

「怒るなって…俺が悪かったよ」

ポンと頭を叩くと淋しそうに笑って図書室を去っていった

(なんなの、本当…)

何故か胸が苦しくなり制服をギュッと掴んで再びうつ伏せになった



「おはよ〜」

「くるみ!ラインしたんだよ?どうしたの〜?」

「ごめん、携帯気づかなかった。隆盛がすごい熱で買い出しとご飯作ってたら遅くなった」

「村瀬、具合悪いのか?」

陽が話に加わると菫は鬱陶しそうに顔をしかめた

「ちょっとー!勝手に会話に入ってこないでくれる〜?園川さんとこ行きなよー」

「…うるせーな」

「あれ?…矢川もしかして別れたの〜?」

「くるみ、こいつ殺していい?」

「超かわいそ〜!しかし二人続けてエッチのし過ぎで嫌われるとかあんたパイプカットも考えれば?」

「菫、やめな!別にそれだけが別れた原因じゃないし」

陽は何か言い返そうとしたが力なく席に戻っていった

「菫、言い過ぎだと思うよ?デリケートな問題だし」

「だって部屋で騒いで圭の勉強の邪魔するんだもん。それに…あいつは圭と毎日一緒に居られるからずるい…」

菫が膨れた様に言い放ったのを聞いてくるみは思わず抱きしめた

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