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彼女の恋愛

第16章 日常的な彼女

「ふふ、菫って可愛いね!」

「まぁね!菫様の可愛さなんて今更言われなくてもわかってるけど〜?」

本鈴を聞いて菫は鼻高々に笑いながら席に戻った

授業中、くるみは隆盛を心配しつつ小島の淋しそうな笑顔を時々思い出しながら悶々とした



「くるみちゃん村瀬休みなんだって? 今ならギャーギャー言われないから文化祭の打ち合わせがてら一緒に飯食わない?」

相悟に声をかけられていいよと返事をする

「こんなチャンス滅多にないのに余計なのが2人いるけど」

チラッと陽と菫を見ながらため息をつく相悟にうるせー!と言い返す二人

「じゃあ図書室の鍵開けるからそこで打ち合わせしよう?静かな場所がいいでしょ?」

「俺、飲み物買っていくから先に行ってて」

「私も先に電話済まして後で行く!」

くるみと相悟は二人で図書室に向かうと入口に創が座り込んでいた

「創先輩? 」

「あ、くるみちゃん♡ 呼びつけるの嫌だから念じてたら来てくれた♡」

「呼んで下さいよ!」

「でも来てくれたから」

ニコニコ笑う創だが相悟の顔を見るとキョトンとする

「背高いし顔見てなかったから村瀬くんだと思ったけど違うね。新しい彼氏?w」

「クラスメイトの宮澤相悟くんですよ。これから文化祭の打ち合わせしようと思って」

相悟がペコッと挨拶をすると創はやぁ!と人懐こい笑顔を見せた

「そっかー、じゃあ俺はお邪魔だから教室に戻るよ」

「え、大丈夫ですよ」

「気を使わないの!くるみちゃんにも会えたし後でまた寄るよ」

「なんか、すみません。わかりました」

「またね〜」

ひらひら手を振って創は階段を降りていった

図書室に入り窓を開けていると相悟が話しかけた

「いまの誰?」

「2年の岬創先輩だよ」

「よく来るの?」

「うん。私の次くらいに」

「俺が言うのも変だけど気をつけてね」

「本当だよw 先輩も相悟には言われたくないと思うよ」

二人で笑うと相悟はあの時は本当ごめんとくるみの頭をポンと撫でた

「なんか久しぶりにくるみちゃんと二人で話してるかも」

「そういえばそうだね。いつも陽か菫が居るからね」

「なんかよく判らないけど嬉しい…」

相悟に見つめられていると飲み物で手を塞がれた陽が足で思いっきりドアを開けて呆然としている

「悪ぃ、邪魔した」

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