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彼女の恋愛

第2章 生まれ変わった彼女

教室に入って暫く菫と話していると担任が入ってきた

「机に名前が書いてあるからみんな席について」

くるみも席に座ると後ろの方に先ほど欠伸を見られていた男子がいた

(うわ、席近くだし…気まずい)

「はーい!注目。今日から皆さんの担任になる小島です。そっちから順番に立って自己紹介してって」

恒例の自己紹介タイムが始まった

菫の紹介タイムの時に男子がすごく盛り上がった反面、女子がドン引きしていた

暫くするとくるみの番になった

「二中から来ました。森野です」

言い終えて座ろうとすると一部からクスクス嘲笑が聞こえたが、くるみは気づかないフリをした

「矢川陽(よう)です。三中ではバスケ部でした、よろしく」

くるみは後ろの彼の名前を無意識に覚えていた

「はーい、今日はこれで終了。明日からは勉強に励むように!それと松岡は話があるから職員室に来て。解散!」

「ハァ〜? コジマっちゃん意味通じない!呼び出しとか何なの⁉︎」

菫は口を尖らせながらこっちにやってきた

「ね!ね!くるみ、一緒にかえろ?ってかぁ、番号交換しよ♡」

菫が笑顔で携帯を出してきたので、くるみも出そうとした時に頭に何かがぶつかった

「あ〜、ごめんね?ぶつかるって思わなかったー」

同じ中学でリーダー格の存在だった大河和美だった

セリフとは反面にニヤっと唇の端をあげた

くるみは条件反射的に強張った顔したその時、

「オマエわざとだろ?くるみにちゃんと謝れよ!」

菫が和美の胸ぐらを掴んだ

「ちょっ‼︎ 菫、やめて‼︎」
「イタっ…何すんのよ‼︎」
「るせー!謝れよ !」

掴み合う二人の間にくるみは割って入った

辺りが騒然とし傍観する者が多かったが、先生を呼びに行った子をみて菫を慌てて引っ張った

「くるみ!止めないでよ‼︎こいつ絶対わざとだったんだから!」

和美は菫を睨みつけながら大きな声で言った

「たまたまだけどちゃんと謝ったでしょ?大体関係ないのにシャシャってくんなよ? ねー? くるみ」

くるみは一つ大きく深呼吸をして声を振り絞った

「和美ちゃん、幼稚な嫌がらせはやめてくれる?私だっていつまでもイジメられっこじゃないから」

言い終えた瞬間、顔を真っ赤にして何か言おうとした和美に背を向けて菫の手を引いて走り出した


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