テキストサイズ

彼女の恋愛

第2章 生まれ変わった彼女

ハァハァ…
ハァハァ…

女子トイレまで走った二人は息があがっている

くるみは長年イジメられてきた和美に堂々と自分の思いを伝えたことに興奮して震えていた

「す、菫 …ありがとう」

「も〜 くるみったら急に走るから〜メイクが崩れたじゃん‼︎」

菫はアイメイクを整えながら鏡越しにくるみを見つめた

「聞きにくいんだけどさ〜、くるみあいつにイジメられてたの〜?」

ピクっと反応したくるみは一呼吸置いて話し出した

「…うん。私ね、落ちこぼれなんだ。うち家庭が崩壊しちゃって勉強どころじゃなくてテストでブービーだったり、体操服忘れたり…
和美ちゃんは完璧主義つーの? だから私みたいなの気に入らないんだよね」

菫は黙ったままくるみの話を聞いている

くるみはこみ上がる涙が溢れないように天井を見上げながら目を閉じた

「最初は物がなくなったり、クラスの何人かが口聞いてくれなくなったりイジリ?みたいな感じでそれくらいなら耐えられたけど…修学旅行で女子全員にハブにされた時はツラかったなー」

笑いながら自笑するくるみを菫は静かに見守った

「昔は病んでたからマイナスにばかり考えちゃってたけど、今は環境が変わってちゃんとプラスに考えること出来るから!だから心配しないで?ね!」

一方的に言い放ってスッキリしたーと笑うくるみに菫は少し強めに言った

「心配だよ!言いたいこともちゃんと言えないでどうすんの!次からはウチがいるからね!」

初めてハキハキ話す菫に驚いたがニコッリ笑ってありがとーと返した

「じゃあ、ハーゲン寄ってかえろ〜♡」と菫と下駄箱に向かったが

「ヤバ!コジマっちゃんに呼ばれてんだ〜」

「そうだったね…この辺で待ってるから行ってきなよ」

「え? いいよ〜 どうせ怒られるだけだもん!このまま帰っちゃお♪」

「大丈夫なの?」

「モチ〜 ってかぁ、ストロベリーにオレンジシャーベットが激アツなの♡」

「え?それ合わなさそうだけど?w」

笑いながら下校するくるみを教室から陽が見つめていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ