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彼女の恋愛

第16章 日常的な彼女

「だいぶ楽になってきました…なにやら周りが騒がしいですね」

「昼食がてら文化祭の打ち合わせをしていたの」

「昼食で思い出しましたが、今日もしや俺の分のお弁当用意していましたか?」

「うん。でも私が好きでやっている事だから気にしないで?」

「せっかく作ってくれたので夜食べますよ」

「隆盛は体調悪いから消化に良いもの食べないと!それにお弁当は相悟くんに食べてもらったから」

「え…」

「棄てるのは勿体無いから。陽がお弁当なかったから陽に渡したんだけど相悟くんと交換して食べてくれたんだよ」

「…」

「もしもし隆盛? 大丈夫??」

「…すみません。少し気分が悪いので横になります」

「わかった!無理しちゃダメだよ? 帰りに鍵を返しに寄るから欲しいものあったらLINEしてね」

「…大丈夫です、鍵はポストにでも入れて下さい」

それではと電話を切られたくるみはいつもと様子の違う隆盛に気になったもののギャーギャー騒ぐ3人の仲裁に入りすっかり忘れてしまった



放課後

いつもの様に創とおしゃべりして図書室の戸締りをするとくるみは簡単に食べれそうな物と湯豆腐の材料を買ってまっすぐ隆盛の家に向かった

一瞬、インターホンを鳴らそうか悩んだが寝ていると申し訳ないと思い鍵を開けて中に入った

冷蔵庫に買った食材を閉まっていると背後に人の気配を感じて振り向くとすぐ後ろに隆盛の姿があった

「びっ、くりしたー! 起きていて大丈夫?」

「すみません。水を飲もうとしたら物音がしたので」

「勝手にお邪魔してごめんね。インターホン鳴らそうか悩んだんだけど寝ていたら悪いと思って」

食材を冷蔵庫に入れている途中でバタンとドアを閉められてドンと冷蔵庫越しに距離を詰められた

「風邪移ったらすみません」

言い終わると噛み付くような荒々しいキスをされた

いつもより激しく乱暴なキスにくるみは戸惑ってしまった

「んっ…隆盛、待って!」

強く体を押して抵抗するとバッと体を担がれてリビングのソファに押し倒された

隆盛の体温が未だに熱い事に気付きどうにか落ち着くように説得を試みるが、抵抗すればするほど強く押さえ込まれる

必死な押さえ込みに半ば諦めて抵抗をやめ力を抜くと、隆盛の抑え込む力も弱くなった

目を開けて見ると隆盛も目を開けていてくるみを苦しそうに見つめている

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