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彼女の恋愛

第16章 日常的な彼女

「ご馳走様でした。くるみまだ時間ありますか?」

「なつみに事情はラインしたから大丈夫だよ。どうしたの?」

「迷惑かもしれませんが、もう少しだけ一緒に居たくて」

「わかった。隆盛は先に部屋に戻ってお布団に入ってて? 私、片付けたら行くから」

「嫌です、手伝います!」

「体冷えちゃうよ? すぐ終わるから行ってて!」

ポンと背中を叩くとわかりましたと部屋に戻っていった

洗い物を済ませて隆盛の部屋を覗くと大人しくベッドに横になっている村瀬を見て微笑んだ

「ちゃんとベッドに入って待っててくれたんだ?」

「いい子にしないと怒られますから…こっち来て」

手招きをされたのでベッドに腰掛けるとギュッと抱きしめてベッドの中に入れられた

「やっぱりまだ熱いね、明日もお休みかな」

「治ったらまず宮澤を懲らしめます。くるみは俺のものだと言うことをちゃんと理解させないと…」

ブツブツなにやら言い始めたのでくるみは隆盛の方に向きを変えてホッペをつねった

「痛い…」

「変な事を考えるのはやめて」

ホッペから手を離して隆盛の胸に顔をうずめる

少し前までは陽の彼女で隆盛に触れれば怒っていた自分が、数ヶ月後にはこうして自ら隆盛の胸に抱きつき安堵しているのがおかしくて笑ってしまった

「どうしました?」

「こうやって隆盛に抱きしめられるの好きだなって思って」

「俺もくるみを抱きしめるの好きです。暖かくていい匂いがして幸せな気持ちになります」

「ねぇ、数ヶ月前の私達はこんな事するなんて想像もつかなかったよね。私、隆盛に会ったら何されるか怖かったもん」

「…申し訳ありません。必死だったもので」

「ううんw だからいま一緒にいれるのかなって思うといい思い出だよ」

隆盛は少し俯いてくるみの頭に顔を埋めた

「くるみ、カルマの法則をご存知ですか?」

「知らない」

「ヒンズー教の法則で良き行いも悪しき行いも必ず我が身に返ってくるという法則です。俺はヒンズー教ではありませんが矢川とくるみが付き合っている時から邪魔をしてきたので、この法則の様に誰かにくるみを奪われるのではないかと不安になります…」

「じゃあ悪い行いが帰ってくる前に良い行いでいっぱいにして罪を軽くしなきゃね!その為にも寝ている場合じゃないから早く体を治さないと」


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