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彼女の恋愛

第17章 不思議の国の彼女

「一つは共通の場所とハートの城以外は所有者の許可がない限り自由に出入り出来ない…一部の人間を除いて」

「誰?」

「俺の知る限りはくるみと糞猫だな」

「猫?」

「あぁ。俺も本編でヤツと会ったことないがヘラヘラして優しいヅラした何考えてるか判らない、いつも双子と一緒にいる金髪野郎だよ」

「…良輔さんのこと悪く言いすぎだよ。 で、他のルールは?」

「ある事が済めば同じ場所に長く留まる事は出来ないし、ある事が終わらなければそこから進むことも戻ることも出来ない。これも一部例外はあるが…」

「つまり今、先にいけないのは何かが終わっていないから?」

「そうだ」

「ある事って?」

「くるみを性的に満足させる事」

「…え?」

「この世界はお前の一部と総監督が創り出したワンダーランドだ。お前を中心に廻っている」

「また総監督…というか私が中心ならこんな事はしたくないから出る事も可能なんじゃ…」

「人間には3大欲があるだろう?ここは日頃、お前の抑えている色欲が総監督の手によって具現化した場所だ。ヤらなきゃ先に進めないなんて可愛らしい顔してとんでもないビッ◯だな」

「そんな…そんなバカなことが…」

芋虫は落胆したくるみに近付くと目線を合わせて微笑んだ

「ここなら誰の目も気にしなくていいし、帽子屋こと村瀬隆盛への罪悪感も感じなくていい。 現実ではないから」

「…現実ではない」

「ああ。夢と現実の狭間だ…もっと深く説明すれば時空の歪みには…」

「いい…マーくん、説明いらない」

芋虫は呆れたがくるみを優しく抱きしめると頭にそっとキスをする

「お前がその気になるまで何もしないよ…実のところ強引に抱くのはあまり好きじゃない」

「…嘘つき。さっきまで強引だったじゃない」

「悪い、少しからかったんだ。くーちゃんは怒ると長いからな…」

芋虫はよっと掛け声をしてくるみをお姫様抱っこした

「やだ!マーくん降ろして!」

「なんで?」

「恥ずかしいし、重いから…」

「言ったろ?俺の許可がなければ他のやつは来れないから人目は気にしなくていい。それにお前は重くない」

おでこにそっとキスをすると先ほどまで腰掛けていた葉っぱの大きなベッドにくるみを降ろす

「でも…」

「なんだ? 森に見えるがただの外観でここは部屋みたいなもんだ。気になるなら…」

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