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彼女の恋愛

第17章 不思議の国の彼女

「本当だ!甘い」

どれ?とディーもチューブからホイップを絞ると舐めて顔をしかめた

「俺は甘いのダメみたいだ」

「確か葵さんチョコ以外は甘いのダメなんですよね」

「チョコ…確か茶色くて甘くて」

「そうです!きっと合っていますよ!」

途端にくるみの背中にぶちゅぶちゅっと液体が流れる

「これで合ってる?」

振り返るとチョコのボトルを片手にニッコリ笑うダムに殺意を覚えてくるみはキッと睨むと、背後から首筋をペロッとディーに舐められた

「ひゃっ!」

「本当だ、これは大丈夫」

くるみは二人から距離を取る様に後ずさりする

「もしかしてこれはわざとですか? 喧嘩も嘘?」

悪魔の様な笑みを浮かべながらくるみと距離を縮める二人

「わざと? 何のこと?」

「喧嘩? してたっけ?」

二人は顔を見合わせるとニッコリ笑いながら再びくるみと距離を縮める

「こ、答えてください!ここは忘れの森じゃないんですか?」

「そうだよ?くるみちゃんも嫌な事、全部忘れるよ。むかつく帽子屋の事とか…」

「ただ俺達二人は森の主だからね。効果ないみたい」

くるみがまた後ずさると木にドンと背中がぶつかった

「やっぱり嘘ついていたんですね! さいて…」

ガバッとディーがくるみの口を塞いで、ダムもそれに加勢し大きな木の裏に隠れた

(馬鹿猫がやってきた…くるみちゃん声出しちゃダメだよ)

(馬鹿猫…良輔さん!助けて!! )

(ダメ! くるみちゃんシーっだよ)

ディーの手を取るとダムはくるみの口に舌を突っ込んで黙らせた

(ふっ…む…んっぁ…)

(お前、ズルいぞ!)

ディーは抵抗するくるみを後ろから片手で押さえつけて右手で腰、脇と撫でながら胸に行き着くと擽る様に輪を描いた

「ディー、ダム遊びに来たぞー」

猫の声が近くで聞こえたが双子に阻まれ身動きも声を出す事も出来ない

ダムにキスをされながら片乳を揉まれ、ディーに拘束されながら片乳を揉まれているくるみは立っているのもやっとだ

「あいつら何処行ったんだ? 共有部分には居なかったし、ハートの城には行くはずないし…森の奥かな」

良輔の姿をした猫は来た道を戻り去ってしまった

「危なかったなー、あいつ神出鬼没だから。ダムの作った侵入者報知器すげーな」

「くるみちゃんが来た事もすぐわかったしね♡ あれ、腰抜けちゃった?」

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