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彼女の恋愛

第17章 不思議の国の彼女

「いや?ただの気まぐれで我儘なブスだな」

ダムが笑いながら言った瞬間に何処からともなく槍が飛んできて、ダムの頰を少し掠めて後ろの壁に刺さった

「相変わらずの地獄耳だな…」

「すげー距離離れてるのに…笑えねーよ」

双子は刺さった矢を見て呆然としたがコソコソ逃げようとするくるみに気付いて、ディーはパチンと指を鳴らした

距離をとった筈なのに双子の目の前に戻されたくるみはうっ…とたじろぐがディーが優しく問いただした

「そんなに俺達が嫌い?」

「え?嫌いなの? 焦らしてるだけだと思ってた」

ダムも目をうるうるさせてくるみに詰め寄る

「いえ、嫌いではないです…」

「じゃあ何で逃げるの?」

くるみはじっと見つめる双子を見比べて観念して話した

「その…エッチを3人でするのが抵抗がありまして…」

双子は二人で目を合わせてくるみにもう一度顔を向ける

「3Pが嫌なのであって、俺達が嫌なのではないと…」

「つまりエッチはいいって事だよね?」

双子に確認されてコクコク頷いた

「ダム、そういう事だってよ」

「ディー、悪いな!」

双子は同時にお互いの肩を叩くと、ギッと睨み合った

「あ、あの…それとですね、葵さんは本編では私のお父さんになるかもしれないんですよ。だからその…ちょっと」

「だってよ、ディー! さすがに娘とネるのはマズイよね〜」

ダムがくるみの肩に手を置くとディーはすかさずそれを払う

「それはこっちの世界の俺には関係ないし、ここは忘れの森だよ? 帰る頃には綺麗さっぱり覚えてないよ」

「じゃあくるみちゃんの作るあみだくじで決めよう」

パチンとダムが指を鳴らすと紙とペンがローテーブルに落ちた

「それなら不正も出来ないし、納得だろう?」

「待て、これを使え」

ディーが指を鳴らすと同じように紙とペンがテーブルに落ちる

「全く用心深いな…じゃあ、くるみちゃんお願いします」

「わ、わかりました」

くるみが適当にくじを書きながら二人を見るとダムのおでこに急に文字が浮かんだ

《左上に一本、線を足せ》

すぐに消えたそのメッセージにディーは気付かず、くるみは言われた通り左上に一本線を増やした

(言われた通りにしたけど、どうするつもりなんだろう)

「で、出来ました」

くるみは作ったあみだくじを渡すとよし!とダムはディーに渡す

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