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彼女の恋愛

第17章 不思議の国の彼女

《ライオンとユニコーン》

くるみを抱きとめたのは駿介こと、ライオンだったがその姿を見てくるみは思わず吹き出してしまった

「シュンさん〜っ、みんな気合入っているのに適当過ぎですよ!」

頭には白い王冠、髪はライオンのたてがみを意識したのかツンツンだが長さが明らかに足りない

白いマントに金の甲冑を付けて両手には鋭い爪の籠手が付いている

「え〜?これでも頑張ったよw」

「葵さんと楓さんが可哀想ですよ?あんな服着させられてるのにw」

「仕方ないw、あいつらは本編引っ掻き回すから出したくないのに無視出来ない存在だから総監督に嫌われているんだよ」

「なんですか、それ!」

二人で笑っていると1人の家臣がやってきた

「領主様!ユニコーン様が単騎で城を目掛けていると報告が…」

「…間違いなく単騎なのか?」

「はっ!間違いないようです。しかし万が一伏兵を忍ばせている恐れも…あの、そちらの女性は?」

「彼女はくるみ、この世界の王たるお方だ。くれぐれも粗相のないように丁重におもてなしをしろ。皆にもよく伝えるのだ」

「はっ!くるみ様、お目にかかれて至極光栄でございます! それでは失礼致します」

家臣は下がるとすぐに城の奥へと消えた

「あの…私が王だなんて…」

「くるみちゃん、来てくれて嬉しいよ。ただユニコーンとの戦が終わったばかりでまだ少し物騒なんだ。もちろん君に危害が及ばないように精鋭部隊をつけるけど…」

「え、 ユニコーンって創先輩でしょ? なんで兄弟で戦なんてしているんですか?」

「本編がちんたらして先に進んでいないからネタバレになるか…簡単に説明するとユニコーンとはあまり仲良くなくてね。こちらの世界でもこの王冠をかけた戦が終わったばかりなんだ」

「…創先輩は?」

「俺に負けて城を出た」

「そんな…体も弱いのに!」

「…心配だけどあいつも帰るに帰れないんだろ。さ、君の休める部屋へ案内するよ」

くるみは首を横に振るとライオンを見つめた

「シュンさん私、創先輩が心配です…探してきます」

ペコっと頭を下げるくるみにライオンはそうか…と頷き指をパチンと鳴らした

するとくるみの体がふわっと浮くと地下に向かって飛んでいく

「わっ、わっ!シュンさん⁉︎」

地下牢らしき場所に着くと壁から垂れる手錠を付けられて足枷も付けられた

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