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彼女の恋愛

第17章 不思議の国の彼女

なんとか立ち上がろうとするがユニコーンは気を失い膝から崩れていった

「そんな創先輩!起きて…」

ユニコーンを引っ張り起こして何とか前に進もうとするが全く進まずやがて城の周りは騒がしくなってきた

「せめて何処か隠れられるところ…」

くるみは辺りを見回すと古井戸を見つけて中を覗くと水は張ってなく隠れるにはちょうど良さそうだ

(落ちたら怪我するかな…神様っ!)

強く願うと急に頭に声が聞こえた

(くるみ?緊急事態か?)

声はどうやら芋虫のようだ

「マーくん⁉︎」

(おまえが強く願った時にアドバイス出来るおまじないをかけていたんだ。で、どうした?)

「創先輩と二人でシュンさんに追われていて古井戸に隠れたいんだけど、どうすれば降りられる?」

(前にも言っただろ? お前はこの世界では怪我はしないから飛び降りればいい)

「聞いていないよ?」

(…忘れの森だな…井戸に隠れたらワンピースのポケットにあるメモを読み返せ。気をつけろよ)

芋虫の声が途切れると近くで衛兵の声がしたのでくるみは慌てて創を抱きしめて自分が下になるようにしてギュッと目をつぶり、暗闇の井戸の中に落ちていった

恐る恐る目を開けると怪我はなく、一緒に落ちたユニコーンも特に怪我はないようで安心した

創を地面に寝かせると辺りを手で触りながら一周しようとすると変なスイッチがあり強く押すと、ゴゴッと音を立てて路が開いた

「なんで井戸に隠し扉があるんだろう?」

くるみは上から見えないように開いた路に創を引っ張って寝かせると再び隠し扉を手探りで閉じた

(ダメだ…やっぱり暗いとこ怖すぎるよ…お願いマーくん!)

強く念じると再び芋虫の声が頭に聞こえる

(お前ねー、俺はドラ◯もんじゃないんだぞ⁉︎ 緊急事態以外は闇雲に使うな)

「緊急事態だよ!井戸の底に隠し扉があって中に入ったけど暗すぎて前に進めないの」

(ほぅ、それで?)

「マーくん意地悪しないで!私が暗いとことお化けが駄目なの知ってるでしょ⁉︎」

(…一緒にいるユニコーンは高度な魔法が使えるはずだが)

「私を助けるために連続で強い魔法を使ったから倒れちゃった…」

(…頑張れないの?)

「頑張れたらマーくんに念じないよ!」

(…わかった。ただ一つ言わせてもらうが俺はこの世界の領主の一人でお前がこの世界に来た時のガイド役だ)

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