無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「うん」

（一見何でもありの世界に見えるが一応それなりにルールがある。いまお前と話しているような事はルール違反なんだ、それなりのリスクがある）

「そうだったの！ マーくんどうなっちゃうの？」

（運悪く捕まればハートの城で行われる裁判にかけられる。そこは名ばかりの裁判で全て有罪で首を跳ねられてしまう）

「…ごめんね。もうあまり念じない…」

（くるみならきっと乗り越えられる。今回だけ使い魔をやるからその先からは頑張れよ）

「マーくん、ありがとう！」

言い終えるとくるみの前にカラフルなネオンの蝶々が現れて路を照らしてくれる

「蝶々さんよろしくね」

ヒラヒラとくるみを先導して舞うと一本道をしばらく歩いた

行き着いた先にはドアがあり、どうやらここも牢屋のようなものだとわかった

くるみはどうしようか悩んだが蝶が早くドアを叩けと言わんばかりに飛び回るので意を決してノックをした

「あのう…どなたかいらっしゃいますか？」

ドア越しに男の声がした

「…その声は…もしや、くるみ様？」

「私は森野くるみですけど…失礼ですが、あなた様は？」

「申し遅れました。私は領主様にお支えしている白の騎士です」

くるみの中で誰⁉︎と疑問が生じる

「ごめんなさい…こちらの世界の役柄が把握出来ていなくて」

「芋虫の説明はありませんでしたか？」

「あの人、テキトーなんです…」

「…仕方ありません。本編では駿介さまの秘書を務めております」

「葛西さん⁉︎」

「当たりです。しかしくるみ様がどうしてこちらに？」

「いろいろあって…葛西さんはどうして古井戸に閉じ込められているんですか？」

「忌々しい赤の騎士に騙されました…このままだとライオン様とユニコーン様が危ない。くるみ様、申し訳ございませんが私をここから出す術を探してもらえませんか？」

「そうしたいのは山々ですが今は私も追われていて…」

スッとくるみの背後から片手が伸びるとパチンと音と共に重たい鉄のドアが腐り落ちた

「創先輩！起きていて大丈夫ですか？」

「くるみちゃん…迷惑かけた」

振り返ると苦しそうに胸をおさえながらユニコーンが壁にもたれている

「ユニコーン様っ！」

騎士は牢から出るとすぐさまユニコーンを支える

「白の騎士…久しぶりだね。こんなとこに閉じ込められていたのか」