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彼女の恋愛

第17章 不思議の国の彼女

「変える? 朝とか夜にですか?」

「空の色を変えられるのは帽子屋だけだからね」

ニコっと笑うユニコーンに意味がわからないくるみだが、そこはワンダーランドだからと自分に言い聞かせた

「じゃあ、みんな少し休もう。掃除はこれでおしまい」

パチンとユニコーンが指を鳴らすと瞬く間に部屋が綺麗になった

「くるみちゃん一緒に寝る?」

「え?」

「手は出さないから安心していいよ? 今、手を出す訳にはいかないからね」

「いえ、私はソファーで…」

「いけません!ちゃんとベッドで休んでください」

白の騎士に強く言われてユニコーンと2人で2階にあがった

大きいベッドのある部屋に入るなり背後からユニコーンに抱きしめられた

「創先輩?」

「ごめん、君に会った時からずっとこうしたかった」

愛おしそうに髪にキスをしてさらに強く抱きしめる

「それは創先輩がですか?それともユニコーンさんがですか?」

「…君を困らせたくないからユニコーンって答えておくね」

くるみは振り向かされるとユニコーンにキスをされた

優しいキスは段々激しく深くなっていく

「先輩…このままだと変なことになっちゃいますよ?」

「そうだね…ごめん」

くるみを離すと手を握り大きなベッドに2人横になった

「手をつないで寝てもいい? すごく安心するんだ」

「いいですよ」

二人は手を握りながらいつしか眠りに落ちていった


しばらく休んで目を覚ますとユニコーンがくるみの髪を撫でながら覗き込んでいたので、くるみは思わず布団を頭までかぶった

「おはよう、何してるの?」

「おはようございます…恥ずかしいから見ないで下さい」

「え〜?ダメだった?」

おでこにそっとキスをされてくるみは少しだけ布団から顔を出した

「先輩、体調は大丈夫ですか?」

「うん!君とキスした後から体が軽くなって今ならどんな魔法も使える気がするんだ。キスでこれだけすごいからエッチするとどうなんだろうね」

フッと笑いながらも顔は真顔だったのでくるみは慌てて起きて1階に降りていった

「葛西さん、おはようございます」

「くるみ様おはようございます。いつの間にか外も明るくなったので朝食をご用意致しました」

見るとダイニングテーブルにはスープとたまごとベーコン、焼きたてパンにサラダが並んでいる

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