彼女の恋愛
第18章 不思議の国の彼女2
「そのドレスもとてもお似合いです…だが、あなた様は真紅のドレスも今以上にお似合いになる事でしょう」
途端に兵士の目が赤く変わり、くるみはその目から視線をズラす事が出来なくなった
《ライオンをコロセ》
頭にその言葉だけが響き渡る
《ライオンをコロセ ライオンをコロセ ライオンをコロセ ライオンをコロセ》
「うっ、なに…頭が痛い…」
「受け入れれば楽になりますよ。ライオンが死んだ暁にはあなた様を我が姫君に迎え、赤の城を立て直しこの世界を統べましょう」
兵士はにっこり微笑むとくるみの頰に軽くキスをして部屋を出て行く
頭の痛みに耐えていたがやがてくるみは意識を失いその場に倒れた
「くるみちゃん…くるみちゃん?」
うっすら目を開けると心配して覗き込むライオンの顔が見えた
「床で寝ているからびっくりしたよ。大丈夫?」
「だ…」
大丈夫と言おうとしたが、靄がかかったように言葉にならない
どんどんライオンが醜く汚い卑怯な人間に見えてくる
「さわらないで!」
起こそうと支えてくれていた手をパチンと叩いてライオンから距離を取る
「…ごめん。無理やり連れてきたこと、怒ってるんだね」
「私はあなたを許さない」
「それは困るな。どうすれば機嫌治る?」
くるみは怪しく笑うとライオンに静かに言い放った
「なら、死んで詫びてくれますか?」
様子がおかしいくるみにライオンは訝しげに注視したが、少しボーッとしている他は外見は変わらない
「くるみちゃん、何があったの?なんか怖いよ?」
くるみはライオンの言葉にイラっとしたが、腰にかかっている銀の剣を見ると妖しく近づいた
「ねぇ、ライオンさん。私の事、好き?」
「もちろん好きだよ」
「そう…」
言いかけながらライオンの目の前に来ると片手を背中に回してもう片方の手で胸元を弄る
「私はね…あなたなんか大嫌い!!」
胸元に伸ばしていた手で剣を抜こうとしたがライオンに牽制され、逆に両手を背中に拘束されてしまった
「くるみちゃんが俺をライオンさんなんて呼ぶからおかしいと思ったけど…なんかの魔術にかかってるな。ユニコーンの仕業か?」
「ライオンをコロセ!」
暴れるくるみに懐から出した薬を無理やり飲ませようとすると、くるみは怯んだ
「それは毒?」
「違うよ、正気に戻る薬だよ」
途端に兵士の目が赤く変わり、くるみはその目から視線をズラす事が出来なくなった
《ライオンをコロセ》
頭にその言葉だけが響き渡る
《ライオンをコロセ ライオンをコロセ ライオンをコロセ ライオンをコロセ》
「うっ、なに…頭が痛い…」
「受け入れれば楽になりますよ。ライオンが死んだ暁にはあなた様を我が姫君に迎え、赤の城を立て直しこの世界を統べましょう」
兵士はにっこり微笑むとくるみの頰に軽くキスをして部屋を出て行く
頭の痛みに耐えていたがやがてくるみは意識を失いその場に倒れた
「くるみちゃん…くるみちゃん?」
うっすら目を開けると心配して覗き込むライオンの顔が見えた
「床で寝ているからびっくりしたよ。大丈夫?」
「だ…」
大丈夫と言おうとしたが、靄がかかったように言葉にならない
どんどんライオンが醜く汚い卑怯な人間に見えてくる
「さわらないで!」
起こそうと支えてくれていた手をパチンと叩いてライオンから距離を取る
「…ごめん。無理やり連れてきたこと、怒ってるんだね」
「私はあなたを許さない」
「それは困るな。どうすれば機嫌治る?」
くるみは怪しく笑うとライオンに静かに言い放った
「なら、死んで詫びてくれますか?」
様子がおかしいくるみにライオンは訝しげに注視したが、少しボーッとしている他は外見は変わらない
「くるみちゃん、何があったの?なんか怖いよ?」
くるみはライオンの言葉にイラっとしたが、腰にかかっている銀の剣を見ると妖しく近づいた
「ねぇ、ライオンさん。私の事、好き?」
「もちろん好きだよ」
「そう…」
言いかけながらライオンの目の前に来ると片手を背中に回してもう片方の手で胸元を弄る
「私はね…あなたなんか大嫌い!!」
胸元に伸ばしていた手で剣を抜こうとしたがライオンに牽制され、逆に両手を背中に拘束されてしまった
「くるみちゃんが俺をライオンさんなんて呼ぶからおかしいと思ったけど…なんかの魔術にかかってるな。ユニコーンの仕業か?」
「ライオンをコロセ!」
暴れるくるみに懐から出した薬を無理やり飲ませようとすると、くるみは怯んだ
「それは毒?」
「違うよ、正気に戻る薬だよ」