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彼女の恋愛

第3章 告白される彼女

「それでは明日のクラス親睦会の内容はみんなで映画を視聴した後、モシモ遊園地に決定しました! 集合時間は11時に改札前ね!」

クラス委員が言い終えるとじゃあ解散と騒がしくなった

バッグに荷物を詰めていると菫がいち早く駆け寄ってきた

「モシモ遊園地とか何年ぶりだろ〜くるみは何乗りたい??」

「やっぱりジェットコースター!あのトンネルに入るとこ好き♡」

「やだー!髪乱れるジャン」

帰り道に菫とクレープを食べながら明日の親睦会の話しをした

「じゃあね〜、バイバ〜イ」

駅で菫と別れてホームに向かって歩いていると携帯が鳴った

知らない番号からで出るか悩んだが、このままでは気持ちが悪いから思い切って出てみた

「はい、もしもし?」

「◯☆ptkx?」

「え? 誰?」

(早口で誰か聞き取れないけど、男の人?)

「もしもし?」

「gtwmw☆ですが、森野さんですか⁉︎」

「森野ですけど…だれ?」

「陽です!矢川 陽!」

「矢川くん⁉︎あー、ハイ。なんでしょう?」

「単刀直入に言います…俺と付き合って下さい!」

「…は⁉︎」

「信じられないかもしれないけど好きなんだ」

「ちょ、ちょっと待って!!からかってるんでしょ?」

悪質なイタズラで偽告白が流行っていると菫が言っていたのを思い出した

「からかってない。付き合って?」

「ウソ!いま隣から笑い声聞こえたもん!」

「違うよ!同じバスケ部の宮澤が近くにいるけど関係ない」

「信じられないから、じゃあね!」

「ちょっ!切らないで? マジだから!」

「…証拠は?」

「そう言われても…証拠はないかな。でも絶対に冗談ではない!…ダメかな?」

「…」

「森野の言いたいことはわかるよ。俺も電話じゃなくて直接言えば良かったと後悔してる。明日の親睦会の前に会えない?」

急な告白に頭がパニックになって何も考えられないくるみ

(本当はゲーム的な偽告白だったらまた笑い者になる。でも、本当だったら矢川くんを傷つける…どうしよう…)

「わかった。駅前に10時30分でいい?」

「森野ありがとう!着いたらLINEするからID教えて?」

くるみは電話を切ってから頭の中が真っ白になった

陽との会話がぐるぐる回ったが、我に帰ると時間を確認して今晩のごはんの買い出しに慌ててスーパーに向かうのだった

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