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彼女の恋愛

第7章 不穏な予感の彼女

「お前には謝られることはあっても、礼を言うことなんてな…」

ズズぃっと菫は陽の耳元で囁いた

「あれ〜? 勉強会の時、嫌がるくるみにあんなエッチな格好させたのだ・れ・か・なっ?」

「松岡様! 大変失礼しました! その節はあざーっす!」

「ホホホ、良くってよ? でもなんだか最近肩こっちゃって〜」

「肩揉みます!!」

くるみは2人を呆れてみていた

「本当、仲良いね」

「俺達も仲良いと思うけど?」

ニコっと相悟がくるみを見て微笑む

(試験の時は見捨てたくせに…)

「あれ?なんか言いたげ?」

「…何でもないよ」

さっきまで肩もみしていると思ったらもう力の加減が強いだの弱いだので喧嘩をしている陽と菫を相悟が止めた

「君たち煩いよ?陽、そろそろ体育館行かないと」

「おう! じゃあくるみ後でLINEする!」

相悟と陽はバタバタ行ってしまった

「くるみは今日どうする〜?」

「試験期間に溜まった家事があるから、今日は早めに帰るね」

「了解!明日ね〜」

「バイバイ」

今日はスーパーに寄らないで帰るとまたもや村瀬の後ろ姿が目に入る

(昨日の今日で気まずいかも…)

一定の間隔を開けて歩いているとピタっと止まって村瀬がこちらを振り返った

「…」

「あ…村瀬くん、今帰り?」

「…気になるので隣歩いてもらっていいですか?」

「…すみません」

「また敬語…」

「あ!す…ごめん」

しばし沈黙が流れる

「今日は部活じゃないの?」

「今日は用事があるので休んでいます」

「あ!期末学年1位、おめでとう」

「…ありがとうございます」

「頭もいいし運動もできるし羨ましいな!」

「何がです?」

「私は何やらしても全然ダメだから村瀬くんが羨ましい」

「僕だって最初から出来るわけありません。学業もバスケも人の2倍は予習、練習しています。ですが…」

ピタっと止まってくるみを真っ直ぐみる

「僕なんかより貴方を独占できる矢川になりたい。チームメイトに愛され沢山の友人がいるあいつに…」

「村瀬くん…」

「こればかりは努力では叶いませんから…」

スタスタ歩いて先に行ってしまう村瀬

くるみがその場で少し立ち止まると行かないのですか?と振り向いて声をかけた

「村瀬くん誤解されやすいだけだよ。もっと話してみたら?」

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