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彼女の恋愛

第8章 夏休みの彼女

とある夏休み 花火大会編(長編)

くるみは菫の家にいた

菫がくるみの浴衣を用意していたのだ

「菫の親戚のお姉さん、本当に着ないの?こんな素敵な浴衣貰っちゃって大丈夫?」

「あ〜?いいの!うちの親戚は男ばっかりだから昔からいろいろウチにくれるんだけど、残念な事に趣味じゃないんだよね〜」

白い生地に薄いピンクと濃い紫で蓮の花が描かれた浴衣は清純なイメージだ、菫が買ってきた黒にピンクと金で描かれた牡丹にレースのついた浴衣と並んでいると確かに菫には合わなさそうだ

「くるみ、先に髪の毛やる?」

「う〜ん。私、メイク簡単だからメイクからにしようかな」

「わかった!ちょっと待ってて〜」

菫は部屋を出て数分してから戻った
脇には大きい鏡を持っている

「これ葵の鏡!男のくせにきもいっしょw」

「勝手に使って大丈夫なの?」

「だいじょうぶ〜♡ さっ、時間も惜しいしやっちゃお!」

メイクして髪の毛をまとめると菫のお母さんが飲み物を持ってきてくれた

「あらー!いいわね〜♡ くるみちゃんかわいいよ!」

「マミー、ありがとうございます!」

むかし反抗期の楓が死ねババア!と叫んで逆鱗に触れた以来、菫の家ではババアやおばさんなどは全て禁句らしい

「菫みたいなガサツなギャルよりくるみちゃんみたいな清純な娘が欲しかったわ〜」

「はぁ? 言っとくけどくるみは清純じゃないよ!えっちーもん!」

「ちょっと菫⁉︎ 」

くるみが真っ赤になって慌てて菫の口を塞ぐ

「あらあらー!二面性があるのはいい女の証拠よ?私も若い頃はねー」

「ママの話なんて聞きたくないよ〜!くるみに浴衣着せてあげて〜?」

「本当に可愛くない子ね!くるみちゃんいらっしゃい?」

マミーがパパッと着付けていく

「すごい!早いし上手ですね!」

「私の母が厳しくてね。着物の着付けも出来るのよ?」

自慢しちゃった♡とはしゃぐマミーはとても可愛らしい

「はい!出来た♡ あら、髪もそんなんじゃだめよ!」

マミーの手にかかれば複雑なヘアースタイルもパパッと仕上がる

「すごい!可愛い!今度やり方教えて下さい!」

「いいわよ!菫が居なくてもいらっしゃいな」

マミーが笑っているとただいま〜と声が聞こえた

「母ちゃん腹減った…って、くるみちゃん!」

葵が浴衣姿のくるみを見てびっくりする

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