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彼女の恋愛

第8章 夏休みの彼女

なつみとむつみの部屋に向かったくるみ

襖を開けると丁度むつみが起きたところだった

「むつみ、おはよう」

「お姉ちゃんおはよう」

寝ぼけ眼を腕で擦っているむつみ

しばらくボーっとしていたがやがて顔を下に向けてボソボソ話し出した

「お姉ちゃん…昨日」

「むつみ、姉ちゃんの話聞いてくれる?」

きょとんとして頷くむつみ

「前にお風呂で姉ちゃんの彼氏の話をした時に姉ちゃんが間違えてむつみに答えちゃったの。混乱させてごめんね?」

「ううん。なつみに聞いてたのに信じなくてごめんなさい。なつみは嘘つきだから」

「そっか!それはなつみが悪いから仕方ないね。笑」

くるみは笑ってむつみの頭を撫でた

「むつみ、姉ちゃんの彼氏はやがわ ようって言うの。バスケが上手で今日一緒にプールに行きたいんだって。一緒でもいい?」

「うーん、いいよ?」

「本当?」

「一緒に滑り台やってくれるかな」

「姉ちゃんは泳げないから怖くて出来ないけど、お兄ちゃんなら一緒にやってくれるよ」

聞いたむつみはパァっと笑顔になった

「行くー!プール行くー!」

「じゃあ着替えて朝ごはん食べよう!お布団たたんでね」

「うん!むつみいっぱい食べる」

くるみは襖を閉めるとキッチンに向かった

「お姉!大丈夫だった?」

なつみと陽がダイニングテーブルに座って携帯ゲームをやっていた

「プール行くって喜んでるよ。私、朝ごはん作るね」

「俺も手伝うよ」

「いいの!ようちゃんはお客さんなんだから。それにお姉の邪魔になるから座ってた方がいいよ」

なつみがコーヒーメーカーのセットをして促した

「気持ちだけもらうね」

くるみが笑いながら髪を纏めてエプロンをつける

その仕草をボーっと見ていた陽をなつみが冷やかす

「家庭的ないい女だなとか思ってる〜?」

「なっちゃん、マセ過ぎ!」

陽がなつみの頭をくしゃっとするとも〜っと言いながら食パンとトースターをセットする

「ごはーん!」

むつみが襖をばんと開けて入ってきた

「むつみちゃん、おはよう!」

陽がむつみに挨拶をするとむつみは恥ずかしがって料理中のくるみに隠れた

「むつ危ないからあっち行ってて?」

「むつみ、ようちゃんに挨拶しなよ」

なつみがコラと引っ張る

「今日お兄ちゃんも一緒にプール行っていい?」

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